著作権法ではない「著作権」~二次創作コミュニティのモラルであり独自ルール「トレパク罪」の仮説~

※この記事はスクショ、コピペ、心を込めた手書き問わず無断てんのり(なぜか変換ry)許しておりません。
※無断転載と思われるものを見かけたら記事の権利者として使用料の代わりに「赤十字に最低30万円の寄付」をお願いする可能性があります。

※例外としてトレパク罪の説明に使ってるベン図の画像だけは持って行っていいです。Twitterに乗せていいです。多分使いどころ結構あると思うので。あと必要があれば改変もして大丈夫です。クレジットとかも乗せてないから要らんし報告も当然要らないんで。
あと誰も気にしてねぇと思うけど私の手描きですはい。


始めに



生成AIをめぐる議論ではしばしば画像生成AIの機能は著作権の問題であるとして取り沙汰されております。(実際、パブリシティー権とか不正競争防止法とかの議論はあまり見ませんね)
しかし生成AIに対し怒りの声を上げる彼らのアカウントを見ると、法律上著作権侵害行為である二次創作が平然と行われていたり、果ては漫画やアニメの一場面などを切り取った無断転載も行われています。
時には生成AIを非難する目的で無断転載や二次創作が行われることもあり、混沌としております。(直近だとジョジョの本家の無断転載しながら生成AIの非難をしていた人が居ましたね)

また、とあるゲームの攻略サイトでは本家のゲーム画面をスクショして切り抜きしたと思われるキャラクターたちがサイトを飾っています。
それに対してツッコミを入れる人間がほとんどいないのか。サイトは今日も見れますし、キャラクターたちのスクショの無断使用について釈明をしている場面を少なくとも私は見たことがありません。(今確認したら公式ロゴまでバッチリ乗ってるとこあるじゃねぇか……見なかったことにします)

本当に彼らオタクが生成AIに対し、著作権侵害で怒っているというのであれば、これらの著作権侵害に当たる行為を自ら率先してやる上に無断転載するサイトも喜んで利用しているのは理屈が通らないし、おかしくはないでしょうか?

実際。まともな人間。遵法精神がある人間から見たら冗談ではなく心の底から理解できないのではないかと思います。

ですが、これらの行動は彼らとしてはモラルや規範があり、筋が通ったモノなのではないか?
というのが今回の仮説です。
AI絵師でありつつも、二次創作村、様々なファンダムの隅っこで10年以上字を書いてきた私の方から、どういう事なのか説明させていただきます。

ファンダムの中では著作権侵害を問われない~その代わりにあるのが「トレパク罪」~


まず、二次創作という行為が基本的には法律上の著作権の侵害行為である以上。二次創作コミュニティ。ファンダム。村の中ではいちいち侵害であるかどうか確認しない。問わない。というのはなんとなく理解できると思います。そうでなくてはコミュニティが崩壊しますからね。

(別に二次創作コミュニティだけが特殊という訳ではなく、例えば廃虚を撮影する趣味が共通する場合は他人の所有する敷地への不法侵入罪が無視されるようなものです。田舎の村出身の自分としては「治外法権」というのは案外どこにでも当たり前にあるのだと思っておりますよ)
(山の中の獣や災害には殺人罪って適用されないんですよ(死んだ目))

……話を戻しますか。
ですが本当に何もルールが無いとコミュニティ内、村の中でもトレスやパクりが横行するのは考えればわかるかと思います。なので村の中でのそういった行為をモラル、規範で禁止しています。
そのモラルには特に名前が無いので、著作権だと思っている人もいる様子なのですが(というか私も長年そう思っておりました)……今回は区別するために村の中でのモラル違反の一つに仮の名称を与えます。なんでもいいのですがここでは便宜上「トレパク罪」と呼びましょう。

「トレパク罪」は著作権侵害とイコールではない~よく似ているが実は違います~


さてこの「トレパク罪」ですが、著作権侵害とよく似ているものの挙動としては少し違います。
ベン図で示すならこうです。


基本的にはこれを大本にして、ファンダム。村の中の人間か外の人間か。(村の中の場合。被害者ポジにも加害者ポジにもなり得ますが、村の外の人間だった場合。どれほど客観的には権威があろうともほぼ加害者として処理されます)
さらには村の中での創作者としての地位が大きいかなども加味され、最終的に罪の過多が判断されます。
弱小創作者が加害者とされた場合であれば微罪や疑惑に留まってもネットリンチこと「自浄作用」が強く働きますが、加害者とされたのが村、ファンダムの中で力を持っている人間であれば、著作権侵害行為や他の犯罪行為であろうともファンネルたちによって守ってもらえます。そして力関係によっては相手の方に「トレパク罪」を着せることも可能です。
(彼らがあれほど必死でいいね集めるのは何のためか……ちょっとだけお分かりになりましたでしょうか?)

あとガイドラインありでガイドラインを守っている二次創作なんかは法的な立ち位置が分からなかったので今回の表には入れておりません。多分法的には違法だけども親告罪なので実際に訴えられることは稀。という挙動になるのではと類推しますが。AIるしあの件でも揉めている様子なので、こればかりは何とも言えませんね。(ガイドライン違反の場合?……公式タグつけないで見つからないように隠れてやっててください。ワイは一旦見なかったことにしますわ)

それで今回は何を焦点としたいのかと言いますとね……
この「トレパク罪」って↑の図を見てもらえばわかると思うんですけど一部著作権侵害とカブってるじゃないですか?
なので「トレパク罪」のことを法律上の著作権侵害と同じだとお互いが思い込んでて会話不可能になっており、今の惨状なんじゃないでしょうかね……ってことが言いたいのです。

生成AIは区分上「トレパク罪」。なので界隈のモラルに則りお前らを犯罪者呼ばわり誹謗中傷します!

するなよ(真顔)
と思うんだけど彼らとしては大真面目にこう思ってるんじゃないかな?

さて、この村ルールことトレパク罪においては生成AIはどのように判断されるのでしょうか?
上に戻るのめんどいんでもう一回張っておきますね。

さて、著作権侵害行為を問題としないという二次創作村。ファンダムのルールから著作権侵害という判断にならないのではないかというのは分かるかと思います。では「トレパク罪」のどこに当たるのか? または当たらないのか?

ちょっと考えてみてください。
……まあ多分元絵に似たものを作る技術な訳だからトレパク罪には当てはまるんだろうな……って思うでしょうけど。
それだけではないのでは? と自分は思います。
生成AIが出始めの頃。なんて説明されていたか覚えておりますでしょうか?

そう「コラージュ」です
さて表のどこかにコラージュ。有ったんじゃないですか?

ど真ん中の三段目にありますね本当に(ry


つまり
生成AIはコラージュのようなものである。
コラージュは「トレパク罪」では裁かれるべき行為である。
なので生成AIは断罪されるべきだ!!!
こういう理屈なんじゃないかなと思いますね……(´・ω・`)

(「コラージュのようなもの」と「コラージュそのもの」は違うんだが……と思うんだけど、この辺の曖昧な表現を理解できるオタクなんて今はほとんどおらん様子だから仕方ないのかもしれんね)

なぜ「トレパク罪」ではコラージュが悪なの?

まず前提として、コラージュは法律上は二次的著作物に当たるので、元ネタの本質的特徴が直接感得できるか出来ないかによって侵害かどうかの判断が分かれるようです。

ということから考えると「過去の二次創作村で本質的特徴が感得出来る形での著作物の利用」が大量にあったのではないか?ということが類推できるかと思います。

昔から続いているオタクの祭典……二次的著作物がたくさん持ち込まれるもの。もうお分かりかと思いますが言いますと。コミケです。
地方のイベント等でも確かその状態だったのでコミケ等の同人誌即売会と言っていいでしょうかね?

誰だったか名前は忘れましたが、実際に本家漫画の切り抜きをそのまま同人誌に使っていた人が居ましたよね? ジャンル的に相当古い同人誌だったのでは? と思いますので、昔は結構やられていたのではないか?
と思います。

ちなみに、なぜそう思うのかと言いますと、そういう同人系の雑誌の注意事項として書かれていたのを私も見たからですね……10年以上前に。
(漫画での注意喚起だった記憶がありますので描くの方が正確でしょうか)

トレスやコラージュはいけない。
自分で描いたものを同人誌として出そう。
と言った趣旨だったと思います。

つまりまあ……注意されるってことはやる奴が居たんだろうな。ってのは想定できると思います。実際私よりも歴の長い人に聞いたら昔は結構当たり前にそういうものもあったそうです。


まとめ

生成AIを著作権侵害と非難しながら二次創作や無断転載をする。
ゲーム画面のスクショをSNSに貼り付ける。
著作権侵害となるような行動をしながらなぜこのような矛盾した行動をするのかと言えば二次創作村。ファンダム内のローカルルールである「トレパク罪」では罪に問われない行為だからである。

こういう論理展開となっています。これらの一見矛盾する行動の理解の一助になれば幸いです。

要はこういう事ですね
正義の反対は別の正義ってことですよ。

ここまでお読みくださりありがとうございました~

私も二次創作を含む作業に戻りたいと思いますので今回はこの辺で失礼します。

おまけ:具体例無いとわからんよって人に

「トレパク罪」が適用されて燃やされたと思われる事案で分かりやすいものがあったので参考までに張っておきます。

内容としてはかなえ先生の新しい衣装とポーズが一致してる絵と恰好が一致してる絵がとうらぶ公式にあり、それが原因で燃やされたようです。
私は法律の専門家ではないのですが、恐らくは依頼された絵師やかなえ先生のやったことは法律上はセーフなんじゃないでしょうかね?
なぜなら参考にされたのはアイディアに留まるから。
だけど見た目には確かに似ていたので「トレパク罪」に当たり燃やされたという事でしょうね。

仮に法律上アウトだったとしても決めるのはとうらぶ運営側ですし、ましてや第三者が暴言を吐くのは普通にアウトなわけで……そういう訳で落ち着いて欲しいなって思います。

(個人的に釈明に納得できんって意見は分からなくもないけど……相手が悪すぎるから暴言はやめとけって思いますね自分は)


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