【アメリカ】冬になるたびに繰り返される風景
わたしの住む地域では、年が明けてから、何度か雪がどっさりと降った。そのとき積もった雪が、いまも残っている。
先週から今週にかけて、この冬一番の冷え込みが続いていて、雪がなかなか溶けないのである。
どれくらい寒いかというと、最高気温が-7度、最低気温が-15度といった具合だ。
寒い。めちゃくちゃ寒い。
空気に触れると、冷たいというより痛い。空気を吸い込むと、ミント味のガムを10個くらいまとめて噛んだときみたいに鼻の穴が猛烈にすーすーする。そして、やっぱり痛い。
こんな温度だと、外に出るのは必要最小限にする。屋内にじっとこもるしかない。出かける必要があるときは、さっと車に乗り込み、さっと車から目的地の建物へ滑りこむ。そうやって、できるだけ外気に触れないようにしている。
この寒さと残雪でなにが起こるかというと、子どもたちの学校が休みになったり、始業時間が遅れたりする。
ここでは、雪が降ったり、道が凍りついたりすると学校が通常運転できなくなるというのがデフォルトなので、保護者たちはそういうものだと思っている。
学校のウェブサイトによると、悪天候の場合、地域の関係当局から道路状況を確認して、校内の状況も点検したうえで、休校あるいは遅延を決めているとの説明がある。でも、具体的にどういう基準で決定が下されているのか、わたしたち保護者は知らない。
雪がまとまって降った当日の朝に「休校です」と言われたら、まだ話はわかる。でも、日曜に降った雪が残っているからといって、月曜から木曜まで休校になったりすると、いったいどうなってるんだという気持ちにならなくもない。まさか春まで待つ気じゃないだろうな、という疑惑まで浮かぶ。
なにも1メートルほどの大雪が積もったり、猛吹雪になったりしているわけではない。せいぜい20センチくらいの雪である。
もちろん、関係するすべての人の安全を優先するがゆえの判断なのはわかっている。
でも、ここは南国ではない。雪は珍しくない。毎年降って、毎年積もる地域である。それなりに経験もノウハウもある。実際、大人は雪が降ったって通常どおり出勤している。
「すぐ学校が休みになって困るよね」
この時期、保護者の間で、何度もこういう会話が交わされる。
でも、そうは言いながらも、誰もがこんなものだと思っている。
ここでは、これが冬の日常の一部なのだ。
(おわり)
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