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スティーブ・ジョブズとうちの夫を参考に、生活を見直してみる
故スティーブ・ジョブズがいつも黒のタートルネックにジーンズを穿いていたことは有名な話である。
スティーブ・ジョブズに限らない。マーク・ザッカーバーグも、バラク・オバマも、制服といってもいいくらい、いつも決まったスタイルの服を着ている。
その理由については、もはや解説は不要かもしれない。一般に言われているのは、決断するためのエネルギーを節約して、もっと大切なところに使うためらしい。
人は、朝起きてから夜寝るまで、無数の小さな決断を繰り返して生きている。そして、この一つ一つの決断に、少しずつエネルギーを消耗している。一つにかけるエネルギーはわずかであっても、積もり積もれば膨れ上がっていく。「決断疲れ」なんて概念もある。
だから、「今日はどんな服を着ようか」といった些末なことで貴重なエネルギーを割かない。そのために、毎日決まった服を着るというわけだ。
なんて合理的なんだ。
あまりに合点がいったので、まねしようかと思ったことがある。ただ、上述の成功者たちからみたら、もはや余白しかないようなわたしの生活には、普段着を制服化するほどの必要性がない。
それに、もともと服にあまりこだわりがなくて、いつも適当に着ている。このシステムでなんら困ることがないので、制服化は始まりもせずに立ち消えになった。
一方、我が家のスティーブこと、うちの夫は、ジョブズと似た習慣を持っている。
クローゼットに1週間分のシャツとパンツを入れていて、毎日上から順に着る。すべてが同じシャツ、同じパンツではないけれど、どんな組み合わせにしても合うシンプルなデザインと定番カラーばかり。だから、毎朝、迷わず上から順にとって着ている。
そして、毎週日曜になると、洗濯物かごの中身を全部洗濯する。
「まだかごがいっぱいになってないから、明日でいいや」といったイレギュラーなことは決してしない。必ず日曜日に洗濯する。
乾燥機を使うので、その日のうちに乾く。それをその日のうちに畳んで、またクローゼットに戻す。
こうやって1週間がリセットされ、また月曜から同じことを繰り返す。
鮮やかなまでのジョブズ・メソッドである。結婚して8年たつけれど、このリズムは、よほどの理由があるときを除いて、崩れたことがない。よほどの理由とは、洗濯機が壊れたとか、引っ越しの日と重なったとかである。
わたしには、にわかに真似しがたい。
ジョブズにせよ、我が家のスティーブにせよ、人生を自らの意思でしっかりと操っているのがすごいなと思う。
生活をより効率的に、より理想的に、より充実したものにしようという意識がないと、こうはならない。どこに改善の余地があって、どう変えたらもっと良くなるのか。このスタイルに落ち着くまでにも、試行錯誤の過程があったに違いない。
服をどうするかっていう単純な問題ではない。どんな生活をしたいかという話だ。どこの労力を削って、その分をどこに振り分けるのか。効果と満足度を最適化させるプロセスである。
年末のこの時期、一年を振り返りながら、いまの生活を見直してみるのもいいかもしれない。
読んでくださってありがとうございます。
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