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携帯がほしい息子。わたしは子どもと全力で遊ぼうと思った

今朝のこと。目は覚めているけれど、瞼がおもりがついているみたいに重くて、まどろみの中でとろとろしていた。

突然、バタバタバタっと走ってくる音がして、息子がまるでスライディングするかのようにベッドに滑りこんできた。

息子はわたしと違って、朝に強い。聞くと、もう自分で朝ごはんを済ませてきたという。よく見ると、もう服も着替えている。息子の朝は、もうとっくに始まっていたらしい。

わたしはまだ半分白目を剝きそうなほど眠かったのだけど、そんなことはお構いなしの息子は、布団の中に潜り込んで、わたしにぴたりと体を寄せてくる。

しばらく2匹の猫みたいに布団の中でぬくぬくしていた。ふと、息子がなにかを思いついて、ベッドの横にあるサイドテーブルへ手を伸ばして、わたしの携帯を取った。そして、パスワードを解除してくれという。

「なにが見たいの」

「アマゾンのページ」

わたしは、またか、と思った。

息子は、アマゾンのアプリのことを、”unlimited toy catalog” (無限のおもちゃカタログ)と呼んでいる。確かにそのとおりだ。わたしも、おもちゃを検索して、最後の商品までたどりついたことがない。

この”unlimited toy catalog”は、お友達の誕生日プレゼントを選ぶときに、どれにしようかと考えながら一緒に見ることはある。

でも、放っておくと、息子は、次々と画面に現れるおもちゃを延々とスクロールして、いつしか目的を忘れる。瞬きすらせずに、いつまでも携帯に見入ってしまう。あっという間に機械に主導権を奪われるのだ。

こういう姿を見るたびに、スクリーンとの付き合い方に不安がよぎる。

それでも、友達のプレゼントを選ぶためならまあいい。目的を見失わないようにリマインドしながら、わたしがそばで見ていればいい。

でも、特になんの目的もないときに、携帯をそのまま子どもに渡してスクリーンを眺めさせるのにはちょっと抵抗がある。

とはいうものの、偉そうに語れるような子育てができているわけではない。つい言われるがままに見せてしまう日もある。

親もなにが良くてなにが良くないのか、常に手探りだ。基本的な大筋ではなんとかブレずにいられても、枝葉の細かな判断に多少の誤差と矛盾が生じてしまうことが多々ある。親だって試行錯誤しながら親の役目を勤めているのだ。

このときわたしは、いいよと言って携帯を渡した過去とは決別するかのように、きっぱりと「ダメ」と言った。

君の時間が奪われているんだよ。アマゾンが見せたいものを見せられて喜ぶのはやめてくれ。後にはなにも残らない。ただ時間が消費されるだけ。

息子は、何度か食い下がった。でも、わたしが折れないと悟って、論点を変えた。

自分の携帯がほしい

小学2年生にして、携帯がほしいのか。時代は変わったものだ。

息子は、わたしへの説得材料として、携帯を既に持っている友達の名前を挙げた。へえ、と思いながら聞いていた。家庭によって事情は違う。その家なりの必要性があるのだろう。

携帯がだめなら、スマートウォッチでもいい

早くも、話題は第二希望へ移った。

息子は、これまたスマートウォッチを持っている友達の名前を挙げた。仲良しの友達も入っていた。そういえば、あの子のママが子どもとの連絡用に買ったと話していたことを思い出した。

もちろん、アマゾンのページすら見せないわたしが、じゃあ携帯を買ってあげようなんてなるわけがない。

だけど、子どもにいつ頃携帯を持たせるのかというのは、そろそろ考えておいてもいい問題である。

周りの親御さんたちを話していると、小学校高学年から中学校にあがる頃が一つのピークになりそうな印象だ。

スマートウォッチなら、小学校低学年から持っている子はちらほらいる。子どもの行動範囲が広がり、一人行動が増えるようになってきたら、我が家でも通信用に考えてもいいかもしれない。

こういう想像をしていくと、いつも思う。

この子はこれからどんどん親から離れて、自分だけの領域を築いていくんだ。その方向性はどう考えても確実で、しかもそのプロセスはもう始まっている。

携帯やスマートウォッチを持ったとき、連絡を取り合いたいのは、たぶん親じゃなくて友達なんだろう。

わたしとこうやって布団の中で丸まったり、「ママ大好き」といってハグしてくれたり、一緒になにかをして遊ぼうと誘ってくれるのも、あと何年あるんだろうな。

そう考えたら、子どものスクリーン対策を厳しく取り締まる前に、自分自身のスクリーンとの向き合い方をいま一度見直してみるべきなんじゃないかという気がしてきた。

子どもと遊ぶときは全力で遊んでいるか。途中で携帯を触ったり、いまじゃなくていいのにテキストしたりしていないか。

まずは、そこから始めてみよう。


読んでくださってありがとうございます。

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