日本の小学校の英語教育にも使えるんじゃない?アメリカの小学生向け教育ソング
我が家の子どもたちは、小学2年生と1年生。彼らが大好きでよく聞いている英語の教育ソングがあります。
「Schoolhouse Rock」シリーズ。
これは、1970年代から90年代にかけて放送されたアメリカの教育アニメシリーズです。教育的なテーマを扱いながらも、短いアニメーションと音楽を組み合わせて、子どもたちが歌いながら楽しく学べる。誕生から50年たった今も、人気のシリーズです。
テーマは、英語の文法、算数、社会、科学など、幅広く扱っています。
うちの子どもたちは、この歌から掛け算の概念を学びました。まだ完全ではありませんが、歌いながら九九を暗記しています。また、アメリカ建国の歴史や、法案が成立する流れ、三権分立のしくみといった社会の知識も、学校ではまだ習っていないものの、大まかに理解しています。
本人は勉強なんてしているつもりはないのに、気がついたら学んでいる。親としては、この自然な学びの形が気に入っています。
もちろん、これらはとっかかりであって、これさえあれば大丈夫なんて万能なものではありません。でも、とっかかりとしては十分に効果があります。
全シリーズの中から、人気の歌を3つご紹介します。
Three Is a Magic Number
3の掛け算の歌です。「3,6,9,…」と軽やかに3の倍数を歌いあげていきます。ただの数字の羅列を暗記するのは、退屈な作業でしかないけれど、歌になると一気に娯楽性が出てきます。
Schoolhouse Rockシリーズは、まさにこの歌から始まりました。
誕生秘話がまた興味深いんです。
ある制作会社の役員が、自分の息子に九九を覚えさせたいと思ったのがきっかけだったそうです。息子が、ローリングストーンズの曲はすぐに覚えるのに、九九の暗唱には苦労しているのを見て閃いた。
「歌にしたらいいんじゃないか」
それで、ミュージシャンを雇い、掛け算の歌を作った。そうしてできたのが、この歌でした。
子どもに学ばせたいことがあるときは、子どもがそのときに関心を持っていることと掛け合わせる。ここでいうと、掛け算×音楽=学び。
放っておいても学びになる仕組みです。参考になる!
Conjunction Junction
英文法シリーズから、接続詞を学ぶ歌です。
Conjunction(接続詞)という単語がいきなり難しい印象があるかもしれません。でも、接続詞の働きがどんなものかを、「and」「 or(nor)」「but」を使って、歌に乗せてわかりやすく教えてくれます。アニメーションでは、電車に見立てた文や単語を組み合わせながら、接続詞が文の意味をどう変えるかが示されています。
歌の中で、繰り返し流れるサビ部分。conjunction, junction, functionの3つの単語が韻を踏んでいて、なんともリズミカルです。
I'm Just a Bill
次は社会科です。この歌は、アメリカで法案が成立するまでのプロセスを教えてくれます。
そもそも法案がどのように起案されるのかに始まり、議会での可決、大統領の承認を得て法律になるまでにどんなプロセスを経るのか。大統領が拒否権を発動すると、法案がまた議会に差し戻されること、議会は大統領の拒否権を無効にできることにも触れています。
細かいことはさておき、ざっくり流れがわかります。そこがミソです。
さいごに
アメリカで世代を超えて人気があり、子どもたちが楽しみながら学んだり、新しい分野に興味をもつのに貢献しているこのシリーズ。
日本の小学校の英語教育の中でも、活用の余地はあるんじゃないかという気がしています。
アメリカ人の夫にこの話をしたら、「Schoolhouse Rock は古すぎるんじゃない?これからの教育はAIを活用していくべきだよ」と言っていました。まあ、確かに古いですけどね。
でも、小学生の英語は、楽しくなくっちゃと思うんですよね。
読んでくださってありがとうございました。
《ほかにもこんな記事を書いています》