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わたしの交渉技術を息子が完コピしている

うちの子どもたちは、自分の思いどおりになにかを得るために、常に親に交渉を挑んでくる。

例えば、キャンディ。我が家では、キャンディを食べるのは完全許可制で、主にわたしのさじ加減で決まる。

できるだけ食べさせたくないので、基本的にはノーなのだけど、何日も間が空いていればOKを出すこともある。また、お友達が遊びに来たときや、ピクニックに出かけるなど、なにかイベントごとがあるときには、食べてもよいことにしている。

ほかには、決められた時間外にiPadを使えるかどうか。スクリーンタイムを際限なくしてしまうと、収拾がつかなくなるので、所定の時間に使うのが原則である。

でも、教育アプリで学習するためなら許可するし、一段レベルの高いお絵描きに挑戦したり、工作のアイデアを得るためなら、使ってよいと判断するときもある。

こんなふうに、なにかが「できるかできないか」という点について、子どもたちは、わたしが許可しそうな理由を推測しながら、相談を持ちかけてくるわけだ。

それだけでなく、「どれくらいできるか」という点も交渉の焦点になる。つまり、キャンディならどれを何個食べられるのか。iPadならどれくらいの時間使えるのかといったことである。

あるとき、7歳の息子と話をしながら、わたしと息子が、親と子どもの立場を入れ替えてしゃべってみようということになった。

わたしは、ここぞとばかりに息子が言いそうなことを考えた。

わたし「ねえ、ママ。恐竜をリアルに描きたいから、iPadを見てもいい?」
息子 「いいよ。30分だけだよ」
わたし「40分でもいい?」
息子 「だめ、30分」
わたし「35分は?」
息子 「……それ以上言うと、20分にするよ」
わたし「……オッケ、30分で」

ここまで会話をして、二人で爆笑した。これ、ある日の息子とわたしの会話の再現じゃないかというくらい、現実味があったから。

なにより可笑しかったのは、息子がわたしの交渉技術を完全にコピーしていることだ。

こちらが提示した以上のことを執拗に要求してくる場合は、最初に提示した条件を下回る結果になりうることをちらつかせる。そうすると、最初に提示した条件に落としやすくなるというわけだ。

息子は、わたしの交渉戦略を完全に理解している。おそらくこれをお手本にして、学校で友達とやりとりする中でも活用しているに違いない。

良くも悪くも、親は子どものお手本である。

そのことを改めて痛感した。


読んでくださってありがとうございます。

《育児について書いた記事》


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