【ゲス顔のマンガレビュー・note版】#02 『野生のラスボスが現れた! 黒翼の覇王 』 ※ネタバレあり
どうも皆さんこんにちは、漫画系YouTuberのゲス顔でございます。
今回取り上げる作品は『野生のラスボスが現れた! 黒翼の覇王』
こちらの作品の漫画版9巻まで読んだレビューとなっております。
この作品に対する僕の感想を一言でまとめるのならば、やっぱり「チート無双って楽しい!」です。
こちらの作品は、いわゆるゲーム転生ものです。
主人公は、とあるゲームで最強と呼ばれるキャラクターを作ってしまいました。
その結果、他のプレイヤーたちから野生のラスボスと呼ばれるようになり、主人公は自分の仲間たちと共に、とあるイベントを企画しました。
それは、野生のラスボスである自分の作ったキャラクター「ルファス・マファール」をリーダーとした勢力と、それ以外の勢力に分かれてプレイヤー同士の戦争をしようというもの。
その結果、ルファスが打ち滅ぼされるという形でイベントは終了し、大いに盛り上がりました。
すると、ゲームの設定上の女神様「アロヴィナス」から、
「あなたに新たな役割を与えましょう。引き受けますか?」
という問いが飛んできます。
主人公はそれを運営からのメッセージだと思い、イエスを押しました。
すると、なんと彼は自分が作ったキャラクターであるルファスとして、自分が遊んでいたゲームの世界そっくりな場所へと召喚されてしまいます。
そこで、彼は自らが作ったキャラクターのルファスとして、自分が楽しくて仕方ないと思っていたゲームの世界を旅することになる。
というところから、物語がスタートします。
ゲームで作ったとても強いキャラクターに転生して、その世界を無双するというのは、なろう系ではよく見る内容です。
そして、本作もそういった色を強く持っています。
主人公は最強キャラクターのルファスとしての能力を使い、それはもう凄まじい活躍をします。
もはやその世界の人から見ると、災害以外のなにものでもないというような、とんでも行動をしまくるわけですね。
もちろん、無双するというところの面白さ…つまり、無双の演出もめちゃくちゃ良い。
主人公の能力の設定や逆に主人公以外のキャラクター、はたまた実際に主人公が出ていき、すごいパワーで無双するまでの流れがとてもよくできています。
作品の主人公が「俺TUEE」をするのは、非常に気持ちがいいと思える構成になっているんです。
上記のような魅力については、話が進んでいくなかでも変わらず……むしろどんどん増していると思いますが、ここに関してはもう間違いなく面白いですよと胸を張って言えます。
そしてそれに加えて、物語的な意味での面白さの部分についても、ここからはお話していきたいと思います。
何よりもまず、「この世界には秘密がある」というところが、面白い点です。
というのも、主人公は、ルファスを作ったゲームプレーヤーであり、何の因果か自分の作ったキャラクターになってしまったという人物です。
彼がやってきたのはゲームそっくりの世界ですが、それは彼がルファスを使って活躍していたゲームの設定から200年後になっています。
しかも、なぜか彼が仲間たちと企画した非公式のイベントが、実際に起こった歴史として語られているという世界に召喚されるんです。
そして、ルファスには、かつて自分が従えていた星座のシンボルを持つ十二星天という仲間のモンスターたちがいました。
最初は彼らを再び探していくのと同時に、ルファスを打ち倒す役を演じたプレイヤーキャラクターたちがこの世界には実在しているという話を耳にします。
もしかしたら、彼らも自分と同じようにこの世界に呼ばれてきたプレイヤーなんじゃないかと確かめていくという、手探りのお話から始まるんです。
仲間集めやプレイヤー探しをしつつ旅をしていくうちに、どうもこの世界には今の状況を作り出すよう、裏で糸を引いてる人間がいるぞ……という話になります。
誰かがこの状況を作って楽しんでいるように感じ、黒幕の意図を感じて追いかけていく中で、主人公自身の中にも違和感が湧いてくるようになります。
その一つが記憶です。
主人公はあくまでルファスを作ったプレーヤーにもかかわらず、彼の記憶の中になぜかルファスとして暮らしてきた時の記憶が存在しているんです。
彼が集める十二星天の仲間たちと絆を結んできた記憶や、彼を打ち倒したといわれているかつての仲間たちと共に過ごした記憶、そういったものがあります。
最初はそれを肉体の記憶だと考えているのですが、どうもそういう話ではなさそうだと感じ始めるのです。
主人公は、ルファスとしてゲームの世界に来ましたが、最初からいろいろなことに違和感があったんですよ。
例えば、自分が何か言葉を話そうとすると、どういうわけかやたらと威圧的な言葉遣いになってしまう。あるいは先ほど言った通り、なぜかルファスとして過ごしてきた記憶が浮かんでくる、などなど。
でも、それはあくまでこの肉体の中にある記憶や癖などに引っ張られているんだろうなと考えて、読者はある意味でスルーできる構成でもある。
なぜなら、そういうのってなろう系だと結構あるんですよ。
体に引っ張られたとか、元の肉体の持ち主の記憶がとか。
なので、読者側も「そういう設定よくあるよね」くらいで読み流してしまいがちですが、どうもそれも含めて計算して作られているのかなと思います。
その違和感が示す本当の意味は、物語が進むにつれて徐々に明らかになるというか、匂いが強くなっていくといいますか。
さらに、主人公は本当は何者なのかという部分が明らかになることと、更なる無双をするという点が繋がっているんですよ。
つまり、この作品の面白いシナリオというのは、面白い無双と表裏一体になっているという意味で面白いんです。
だからこそ、物語部分を含めて、この作品は無双ものとしてめちゃくちゃ面白い出来になっているというわけです。
それでは総評です。
無双ものの見本といったところでしょうか。
とにかくこの作品は、主人公が無双するのが本当に気持ち良い。
それは単純にシチュエーションや設定だとか、演出だとかという面だけではなくて、物語的にも話が進んで、謎にされていた部分が明らかになった。そこに手が届いた。
その内容を鑑みれば主人公がさらに無双するの当然だよね、みたいに無双していくので、主人公がめちゃくちゃ強くて大活躍していくというお話が好きな人にとってはすごい楽しめる作品だと思います。
実は、作画を担当されてる漫画家さんが何やら体を壊されていたらしいんです。
かなり長期間漫画がストップしていまして、個人的にはこのまま終わってしまうのかなと不安に思っていたんですが、ようやく再開されて久しぶりの新刊が出たんですよ。
個人的には非常に好きな作品なので、ぜひとも続けてほしい。そして、回復された先生を応援したいということで、今回レビューさせていただきました。
なので、興味を持たれた方はぜひ漫画を購読していただければと思います。
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