シェアドリーダーシップで生産性をあげる
こんにちは。げっしーです。本記事は開発生産性 Advent Calendar 2024 の第25日目の記事となります!
今のチームでは、シェアドリーダーシップ型の組織として運営しています。このアプローチにより生産性が大きく向上していると実感しているので、本記事ではその経験を共有させていただきます。
シェアドリーダーシップとは?
シェアドリーダーシップは、特定の個人ではなくチームメンバー全員でリーダーシップを共有する組織運営の形態です。従来の「トップダウン型」や「一人のリーダーが全てを決める」というアプローチとは異なり、メンバー各自が持つ専門性や経験を活かしながら、状況に応じて適切にリーダーシップを発揮していきます。最近ですと、2024年6月に「リーダーシップ・シフト 全員活躍チームをつくるシェアド・リーダーシップ」という本も出てるのでご参考にしてみて下さい。
シェアドリーダーシップの3つ利点
僕の観点で言うと大きく3つの利点があります。
多様な視点からの意思決定
各メンバーの専門知識や経験が意思決定に反映される
一人の判断による偏りやリスクを軽減できる
チームの柔軟性向上
状況に応じて適任者がリーダーシップを発揮できる
急な変更や危機的状況にも柔軟に対応可能
メンバーのモチベーション向上
全員が主体的に参画する意識が高まる
自己の成長機会が増える
どうですか?よくないですか?ではどんな組織が向いているでしょうか?
シェアドリーダーシップが向いてる組織とは?
高度な専門性が求められる組織
エンジニアリング組織
研究開発部門
フラットな組織文化を持つ組織
オープンなコミュニケーションを重視
メンバーの自律性を尊重
この二つは僕が目指したい組織とめちゃくちゃリンクしてるんです。だったらやるしかないですよね?
開発生産性との関係
本記事は開発生産性 Advent Calendarの一環として書いています。シェアドリーダーシップと開発生産性には深い関係があり、以下の3点で特に効果を実感しています。
迅速な意思決定
権限が分散されているため、各メンバーが自律的に判断可能
ボトルネックの解消につながる
知識の効果的な共有
メンバー間で積極的な情報共有が促進される
チーム全体の技術力向上につながる
イノベーションの促進
多様な視点からのアイデア創出
実験的な取り組みへの柔軟な対応
もうこれはシェアドリーダーシップを採用しない理由はなくないですか?なので、現在の僕の組織ではシェアドリーダーシップを採用しています。では具体的な取り組みって何をやっているか?を見ていけばと思います。
シェアドリーダーシップを実現するための具体的な4つの取り組み
細かく見ると色々やっているのですが、ここではやりやすい4つを紹介してみます。
SREメンバーによる定期的なワークプラン作成
全社戦略を基に、定期的にSREチーム全員で集まり、次期のワークプランを策定します。各メンバーが持つ知見や経験を活かしながら、優先順位や実現可能性を議論し、チーム全体で合意形成を行います。
全員参加型の目標設定
計画への納得感と理解度の向上
オーナーシップの醸成
全社戦略の共有
全社に絡むことが多いSREは常に全社戦略を意識する。
重要情報を全員で共有
同じ情報基盤での議論が可能
方向性の統一
PRの相互レビューと情報共有
SREチームがあげるPRは全てSREチームが相互にレビューする。担当外でも関係はない。理解できるようなPRをあげる。
コードレビューを通じた技術力向上
ナレッジの共有や属人化の排除
相互理解の促進
相互信頼の構築
オープンなコミュニケーション
失敗を許容する文化
建設的なフィードバック
開発生産性を高めるシェアドリーダーシップに向けて
現在の組織は、シニアやリーダー経験者が多いことが発端でシェアドリーダーシップにしましたが、ここまで見てきたように実際の取り組みは特別なものではありません。リーダー経験が乏しいチームでも実現可能だと思います。
シェアドリーダーシップは、特にソフトウェア開発組織において効果的なアプローチです。経験の有無に関わらず、以下のような点に注力することで、どの組織でも実践可能です:
明確な目標設定
透明性の高い情報共有
相互信頼の醸成
継続的な改善の文化
このアプローチを通じて、チームの開発生産性と組織の持続的な成長を実現していくことができると思います。
特に「透明性の高い情報共有」は、多くの組織で課題となっています。「情報共有しすぎかな?」と思うくらいが実は適切な量です。まずは小さな取り組みから始めて、徐々に範囲を広げていくことをお勧めします。
シェアドリーダーシップで、より良いチーム作りを目指しましょう!
メリー・クリスマス!🎄✨