新メンバーとの出会い|日本での英語教育に疑問
ミアが紹介してくれた新しいメンバーは、ミアの教会の友人。
ということでマイカとも友人である。
メアリーローズ
僕の2人のイメージは非常に好印象であった。
その為、この二人が仲良くしているという友人であれば、基本的には問題はないであろうと考えていた。
早速ミアに、その子に体験に来てくれるよう伝えてほしいとお願いした。
次の週。
幼稚園の正課、そして小学生レッスンにお試し参加してもらうこととなった。
そして、当日。
ニコニコしたとっても暖かい雰囲気のフィリピン人女性、メアリーがまこと幼稚園に来てくれた。
これまでも英会話スクールで英語を教えていた経験があるというメアリー。
日本語も少し理解できるということで、これは園児たちにとってもすごく嬉しいことだ。
本当は英語のみの環境で過ごすというのが理想的であろう。
しかし、園児たちにもそれぞれキャラクターがある。
言葉がわからなくてもノリでコミュニケーションを取ろうとする子もいれば、全く近寄らずに終わってしまう子もいる。
もちろん、言語の問題だけではなく、単純に性格的にシャイで、外国人、日本人問わずに積極的にコミュニケーションを行おうとしない子だっている。
そういった多種多様な子供たちがいる中では、少しでもコミュニケーションツールにバリエーションがあるほうが好ましい。
こうしてこの日は一日メアリーに体験してもらった。
もちろん初めてなのでレッスンの流れを把握してもらうことをメインに考えていたので、しっかりと参加してもらったというわけでは無かった。
しかし、基本的には人の話をちゃんと聞いてくれるし、子供たちにも寄り添ってくれる場面も見られたので、僕としては今後も来てもらいたいと感じた。
そして、メアリーも同様に今後も来たいと言ってくれた。
そこで、レッスン終わりに業務委託の契約書を交わし、アルバイト費用と交通費の話になった。
すると、一つ懸念点が現れた。
なんと、彼女は住んでいるところが非常に遠かったのだ。
日進まこと幼稚園は、さいたま市日進町にある。
しかし、メアリーがその時住んでいたのは、神奈川の藤沢。
その距離、電車で約1時間半である。
東京近辺で暮らしていると、通勤時間はおよそ1時間以内であればまあ射程圏内と考える方も多い印象で僕自身もそうだった。
しかし、一時間半ともなると、自宅から最寄り駅までの距離にもよるが、door to doorで2時間程度を想定しておく必要もあるかもしれない。
これは現実的なのか?
そして、もう一つの懸念点は交通費である。
基本的には交通費は全額支払う形を取ってきていた。
しかし、藤沢~日進では往復3,000円以上である。
これは正直この段階ではきつい。
そこで、その件について本人に話した。
するとなんと、これから足立区に住んでいるマイカのアパートに居候することになっているのだという。
この時メアリーは正社員での就職活動中だとのこと。
これまで住んでいた場所も友人と住んでいたようで、すぐに引っ越しは可能だという。
そういうことであれば、交通費は往復約1,500円程度なので対応できる。
ということで、この件も一件落着して、メアリーを採用することとなった。
日本の英会話教室について思うこと
ここまで、合計4名のアルバイト、および業務委託といった形で外国人に業務を行ってもらった。
この4名はいずれも英語ネイティブではない。
これには僕の考えがあった。
その考えとは、
英語を母国語ではなく第二言語以降で学んだ経験がある人のほうが、言語を習得するプロセスを他人に説明出来るであろうと考えているからだ。
もちろん、英語ネイティブではないことで報酬を下げたりしていない。
そんな中で、普段からよく考えていることがあった。
それは日本の他の英会話スクールのことである。
もちろん僕が行っている園児や小学生向けの英語と、大人向けの英会話スクールではその方法には大きな違いがあって当然。
だから一概に僕と他の英会話教室を比べてという意味ではなく、僕がこの事業を始める前から感じていたことだ。
日本では英会話スクールの講師として日本で英語を教えている外国人が大勢いる。
以前、僕の友人が某有名英会話スクールで顧客カウンセラーとして働いていたことがあった。
その友人から聞いた話や、他の知人を通して知り合った外国人たちの話を聞いていると
とにかく日本で英語講師として働いている外国人の多くは、一時的にアルバイトという形で働いている方が多いということ。
中にはワーキングホリデービザを取得して日本に短期間滞在する間に、英語講師として生計を立てている方も非常に多いのが現状だ。
そのとき日本で英語講師になるために、特別なスキルや、資格を問われることはほとんどない。
そして、少なくとも僕の経験上、日本人に日本語で丁寧に説明しながら英語を教えるために日本語を学んで話せるようになった、もしくはその努力をしているという外国人に出会った記憶はない。
そして、僕が注目しているのが、そういった英会話スクールに通う費用である。
オンラインでコスパよく学べる環境もあるが、やはり直接会って、手取り足取りし指導されたいと考える、受動的な方も多いせいか、
高額スクールもたくさん存在していて、そこに通う方も常に大勢いる。
僕の友人が務めていたスクールも、年間にすると数十万円である。
こういった現状を観て僕が思うことを率直に言いたい。
それは、、、
日本人はカモにされている。
日本の英会話スクール運営側からも、英語が話せる外国人からもである。
言語の習得には、膨大な時間がかかる。
たくさんその言語に触れて、慣れることも必要である。
そして何より、ただ作業のように英語と触れ合っていてもダメで、自ら自発的に行動を続けることが非常に大切である。
しかし、それを行える人は多くはない。
なぜなら、
日本に住みながら英語を話す機会を自分から作り出すことは難しい。
そして、自分から作りだしていかないと、正直言って仕事で使用するという方以外、英語は必要ないからだ。
だから結局話せるようにならずに終わる。
しかしながら、英語を話せるようになりたいという憧れは強いため、諦めてもまたしばらくしたらその熱が熱くなる。
だからまた英会話スクールに通い出す。
しかし、また断念する。
これを繰り返す。
この行動心理を英会話スクールは完全にお見通しである。
そして外国人の中でも、日本に行けばひとまず英語講師やれば仕事には困らないというのは、もはや有名な話しである。
そして、またさらにもう一つ日本に浸透している誰もが疑わないルールが存在する。
それは、
英語ネイティブは授業料が高いというものだ。
多くの日本人は英語が母国語であるアメリカ人やイギリス人と言った英語ネイティブが英語を学ぶことがより効果的だと考えている。
実際にスクール側も英語ネイティブを積極的に採用しているようで、ネイティブ講師とそうでない講師とで価格に差をつけている。
英語ネイティブのほうが高価格に設定されているケースが非常に多いのだ。
しかし、上でも述べたが、これには僕は賛同していない。
なぜなら
言い方は悪いが、英語ネイティブの方の場合
”英語が出来ない、話せない赤ちゃんのような日本人相手に、母国語で会話していればお金がもらえる”
という状況が成立しているからだ。
そして残念ながら、この状況はしばらく変わりそうにない。
もちろん、色んな角度から考えると、一概に悪いと言えるわけでもないのも事実である。
もしかすると日本人の方たちの中には、お金をかけて夢を追いかけている状況が続くことを楽しんでいる人もいるとすら感じることがあるからだ。
挑戦しているという意識が生きがいに繋がっていることだってあるだろう。
しかし、僕はこの状況を変えるたいと思っている。
僕のようなプロジェクトを通して、子供たちの視野を早い段階で世界に広げてもらい、自らが自分の居場所や在り方を考えられるように育っていく。
言い訳をせずに生きていけるように。
しかし、もちろんそれには時間がかかる。
自分自身もぶれないように。
こういったベースの考えを自分自身も再認識しながら、
自分のプロジェクトを遂行していかねばならないと強く思う。