【読書】『図書室の海』恩田陸【『六番目の小夜子』番外編など】
恩田陸さんは、私がTwitterの読書アカウントに記載している「名刺代わりの小説10選」に2作品も入れている、大好きな作家さんです。
今回読んだのは、『図書室の海』(恩田陸 著)という短編集です。恩田陸さんの代表的な作品の番外編等が含まれています。
『六番目の小夜子』番外編など
表題作『図書室の海』は、『六番目の小夜子』の番外編です。関根秋の姉、夏を描いています。『六番目の小夜子』で「渡すだけのサヨコ」をやったと秋が話していた秋の姉が、先輩から鍵を受け取った後のエピソードです。
『夜のピクニック』の前日譚である『ピクニックの準備』や『理瀬シリーズ』の水野理瀬の少女時代を描く『睡蓮』も掲載されています。
全部で10編のお話が含まれている、短編集です。
恩田陸さんワールドを楽しむ
恩田陸さんのお話には、内容は様々異なっても、共通の素敵な雰囲気が根底にあるように感じます。恩田陸さんワールドというのか、かけがえのない空気感があります。
この短編集にも色々なお話が含まれていて、不穏なお話も寂しいお話も、胸がぎゅっとなるお話も、「え、どういうこと?」と思うお話もありましたが、どのお話も恩田陸さんワールドの魅力的な雰囲気に包まれていて、読んでいて楽しかったです。
『夜のピクニック』は特に好きな作品なので、『ピクニックの準備』が読めて嬉しく思いました。そのときそのときは辛いことや大変なことも少なくないのに、終わりが近づいてくるとそんな時間が大切に、愛おしく感じられるのって、不思議な感覚ですよね。その感覚が本当に的確に描かれていて、深く共感しました。
『六番目の小夜子』ら恩田陸さんの長編を読んだことがある方もない方も、ぜひ手に取ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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『夜のピクニック』感想
『六番目の小夜子』感想
『理瀬シリーズ』感想
恩田陸さんによる他の作品の読書感想はこちら↓
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