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【読書でヨーロッパ旅行#1】『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ【ドイツ🇩🇪】
国内でもなかなか遠出が難しい現在、海外旅行はもっと遠い存在で、いつまた行けるのか見通しが立っていない。
以前からそれほど頻繁に行っていたわけではない(社会人になってからは、仕事や留学を除けば、観光で海外に行ったことはない)けれど、行けないとなると、なんだか閉塞感を感じてしまう。
仕事が上手くいかないなとか、何か気分転換したいなというときの手段が減ってしまったことに、不安を感じてしまうのだ。
そこで、【読書でヨーロッパ旅行】をしてみることにした。
✈️ルール✈️
ヨーロッパの国一つ一つについて、関連した(※)本を読む。国同士の順番について、実際の移動の効率性は考慮しない。
※作者がその国の出身、作品の舞台がその国、その国の歴史等を扱っている、その国やその国の人が登場する、題名にその国の名称が入っている 等
1ヵ国目、ドイツ🇩🇪
まず、ドイツの作家ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を読んだ。
『はてしない物語』
この本は、以前noteでも紹介した『あしながおじさん』と同様、『サクラ咲く』(辻村深月著)を読んだ際、登場人物のマチが読んでいて、私も再読したくなったものだ。
学校のみんなからはいじめられ、父親ともなかなか上手くコミュニケーションがとれない少年、バスチアンは、学校の屋根裏で『はてしない物語』という本を読み始める。
読み進めていくと、次第に現実世界と本の中の世界が近付いていき、バスチアンは本の登場人物である幼ごころの君を助けるため、本の中へ旅立つ。
バスチアンは本の中のファンタージエン国に行くと、美しい少年となり、幼ごころの君の名代となるしるしであるアウリンも手に入れて、様々な冒険をする。
しかし、バスチアンは何か望みをかなえる代償として、現実世界の記憶を一つずつ失っていた。
大人になった今思うこと
子どもの頃読んだときは、とにかく本に入って冒険することに興奮し、夢中になった。
大人になった今読んでも冒険にはわくわくしたが、それだけでなく、正しく自分に自信を持つことの大切さを実感したり、作者の想像力はどこから来るのか不思議に思ったりした。
バスチアンは現実世界で自分の価値を否定していたけれど、ファンタージエン国に行くと自信を持ち、積極的になっている。それは良いことなのだが、自力で成し遂げたわけではないことも自分の功績だと思い始めると、何かがおかしくなっている。「正しく」自分に自信を持つことは、子どもにとっても大人にとっても重要なのだろう。
また、作者の描く世界の豊かさに驚き、ファンタジー作品を作り出す作家の頭の中を覗いてみたいと思った。