【読書】『長い家の殺人』歌野晶午【哀しい学生ミステリー】
「講談社文庫ミステリーフェア」で夏に購入した3冊のうち、最後の1冊を読みました。年内に3冊とも読めて良かったです。
本日は、その最後の1冊、『長い家の殺人』(歌野晶午 著)について書いていきたいと思います。
荷物も含めて行方不明に
学生バンド「メイプル・リーフ」のメンバー6人は、解散ライブの練習のため、越後湯沢の合宿所にやって来ます。
ところが、初日の夜、メンバーの一人である戸越が荷物も含めて行方不明になってしまいます。
そして翌日、戸越は合宿所の部屋で、死体となって発見されました。
戸越が亡くなった件が未解決のまま、メンバーたちは解散ライブの日を迎えます。そこで、更なる悲劇が起こってしまうのです。
情熱に突き動かされて
本作品は、作者の一作目ということで、行間から伝わる情熱のようなものを感じ、一気に読みました。
思い切ったトリックが好きでした。「大胆かつ繊細」という表現がぴったりなトリックで、なるほどと思わされました。
学生たちの心情描写も興味深かったです。事件抜きでも、6人を見ていたいなと感じさせる雰囲気がありました。性格が全く違っても「音楽が好き」という一点で団結できるところ、実は隠された人間関係があるところ、「鬱陶しいけれど良いやつなんだ」というように表面だけではわからない信頼関係があるところ。学生時代って素敵だなと感傷的になりました。
講談社文庫ミステリーフェア
今回、「講談社文庫ミステリーフェア」のおかげで、新たな本に出会うことができました。
新装版ということで、少し古いお話を楽しめたのが良かったです。フェアのような機会も活用しつつ、これからも色々なミステリーを読んでいきたいと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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