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お笑いコンテクストってなんやねん!? 上

「お前それ何やねん!?」で、笑いが起きるか起きないか。それがお笑いコンテクストに乗っているかどうかどうかの違いである。

ここで言う「お笑いコンテクストに乗っている」とは、「その話の目的が『笑いを生み出すこと』になっている」ということだ。

このコンテクストの上では、結果として場に笑いが生まれさえすれば、多少の論理矛盾や論点のすり替え、言葉の誤用や失礼な態度など、普通の会話では許容されないものが、時にはかなり大胆に許容される。

ただしこれは、あくまでも笑いが生まれた時の話である。もし笑いが起きなければ、そのことに対する非難は普通の会話で同じことを口走ったときの比ではない。そのコミュニティでの信頼は失墜し、もとの状態に戻るのは困難である。

周りからの信頼を取り戻し、前と同じようにお笑いコンテクストに溶け込むためには、面白いことを精度、密度、共に高く提供し、その状態を一定期間持続させなければいけない。

これはしかし、一度はそのコンテクストに乗れていることを前提とした話である。

中には、どれだけ努力してもそのコンテクストに一度も乗ることができない人もいる。なぜなら、あらゆるスポーツや学業と同様、お笑いには、才能と生まれ育った環境という、気づいたときには超えようのない高い壁が存在しているからである。

言い換えると、基本的に、面白くない人は、一生面白くなることはないということである。

そのような星のもとに生まれていない人は、どんなに努力をしても、お笑いという名の、ある特殊な「発想のフィールド」で渡り合えるようにはならないのである。

つづく。




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Takumiのessay
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