皺寄せ〜人間関係は多重多面構造〜
「あなたのここが問題の原因であって悪いところだよ」「ここをこうしないから悪いことが起きているんだよ。」
心の探索。
人間関係中で、直接的に言わなくても、このようなニュアンスを匂わせながら意見を言われたり、述べることがあるかもしれません。
それ自体は客観的に見た真実の”一面”かもしれません。ある時には、謙虚に認めて前向きに取り組むなら、成長に繋がります。
ただ物事には”多くの真実”が関わっており、さらに絡まり合ってもいますね。
だから、不当に感じたり、本当には分かっていないということもたくさんあります。人には全ての原因を見通す能力はないからです。
家族間でも、コミニティーの中での関係性でもそうです。
子どもの問題なら、子本人の問題、親子関係の問題、親の親との問題、親の親の親の問題、それぞれの友人関係はどうか、時代背景、生まれた国や文化の影響、教育、遺伝子レベルの問題ー障害的な欠落や引き継いだもの、身体の虚弱性などあげればキリがありません。
ただこれらをまとめるとすると、
・本人が原因とは言えない、見えない選択不能な背景的要因が色々ある。
・ある1人とだけの関係ではなく、色々な人との関わりのバランスによって、関係性が織りなされているということが見えてくると思います。
親からの愛情が不足していても、色々な友人や交流の中で愛情を感じていればそれほど問題にはならないでしょうし、
逆に家庭でもコミュニティーでもそういうものが感じられない状況(これも複合的ですが、本人の努力と周りの接し方が消極的など)なら、いずれ”皺寄せ”となって明らかになり、問題として捉えられます。
その”皺寄せ”が
自分と誰かの間で起きる時。
つい2人の間の問題だと請け負って
自分を責めて自信をなくしたり、
相手が悪いと責め腹を立てるのは、
「見当違いなエリアが大きい」ことがお分かりではないでしょうか。
自分と相手の問題だと思っていたことが、
知っていくと、相手の、親を含む他者関係でのトラブルや愛情不足が大きな原因の一つになっていたりするということです。
それが上下関係ー依存、八つ当たり、抑圧、支配といった”心地よくない”形になって、直接は関係のない自分に皺寄せとなって向かってくる感じです。
自分の無性に抑えられない感情に気づく時、相手にそうしていることに愕然とすることもあるでしょう。
そういうわけでどれも以前から言われている言葉ですが、
私たち人間は持ちつ持たれつ、迷惑をかけることがあるのはお互い様ーそれで生きていくことが成立しています。ありがたいものですね。
二者関係だけの問題ではない、自分のせいだけではない、相手のせいだけでもない。
いろいろな人と知り合って、愛情を表現し、
過去や見えるものだけに囚われない人生を一緒に生きて行けたらと思います。
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