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スクラップ&ビルドの前に

日曜日は集落の経営ノート。地域は1月スタートの12月締めであることが多いです。年始と年末に総会をして、一年の流れの確認と完了報告を行います。昨年は会計をやっていたので、年末総会の段取りと決算発表がメインの仕事です。

いろいろやり方を模索したり、新しい提案について相談もしたりしましたが、スクラップ&ビルドでどんどんは難しいなと感じました。まったく無理なわけではないのですが、コミュニティ運営の難しさがそこにあると感じます。そういう動きの一歩手前でやったことを小さなことですが、書いていきます。

1.決算発表での工夫

年末総会の決算発表ですが、これまでは数字を読み上げる方法でやっている方が多かったです。これだと時間もかかりすぎるので、変動の大きいものについての説明に変えました。

(1)全体的なお金の流れの説明
(2)予算に比べて大きく変わっている部分の説明
(3)次年度に向けてのポイントについて

の順序で説明しました。一つ一つの数字は、見ればわかる話ですし、気になる部分の議論に時間を使ってほしかったからです。数字読み上げるの眠くなりますしね。

結果的に、これは「わかりやすくて良かったぞ」となりました。これは引継ぎ事項として残します。

2.会計マニュアルの作成

会計の引継ぎ書はあったので、かなり助けられたのですが、僕のようにもともと地域住民じゃない人(僕は婿です)にとっては暗黙知が多く、わからないことも多かったので、それについて一つ一つ書いてみました。

地域の会計は初めてやる人が多いので、事前に状況がみえていないとなかなか大変です。年間スケジュールや、基本的なルール(決め事)や呼び名なども書きました。

僕は消防団の獅子舞で家々を回っていましたし、総会の飲み会も毎年最後まで残っているので、大まかなスケジュールや土地勘、○○さんは誰かというのを知っている部分も多い若手です。僕が受けたことで、若い世代に代替わりした家が会計候補にもなっていくと思うので、そういう人たちのためにも何か形を残さねばと思ったのです。

マニュアルの目次(だいたいこんな感じです)
(1)年間予定
(2)予算の立て方
(3)会計科目の説明
(4)祭りのルール(春と秋と観音さん行事)
(5)集金のポイント(個人・地域内企業など)
(6)一斉清掃準備の方法
(7)総会の開催
(8)決算作業・引継ぎについて

3.自動引き落とし可能なものへの対応

水光熱・通信費は既に引き落としになっていました。今年は固定資産税の手続きをやりました。鳥取のいなば農協は団体カードが作れないので、ATMによる振込みができないため、窓口対応になります。手数料もかかるし時間もかかるので、市役所に行って固定資産税の自動引き落とし(次年度から)の手続きに行きました。

固定資産は減免対応になるものもあるみたいで、僕の前年の区長さんが一部減免措置の手続きもしてくれていたみたいで、支払いが減っているものもあります。こういう見直す作業も少しずつやれると良いです(余裕がない時は無理はしない)

4.過去5年の支出変動を作成

単年度予算は前年比で考える予算の組み方になっています。前年の予算が、一昨年と比べてどうだったかも考えないと、その時にイレギュラーで支出していたのか、そうでないのかがわかりません。最初予算を組む時に、それがわからなくて苦労しました。

そこで、会計資料に残っていた過去の支出データを5年分くらい引用して、毎年の予算の変化を見られるようにしました。ほぼ毎年かわらないもの、増えたり減ったりしているもの、あまり使わずに予算枠だけとっているものなどがわかりやすくなりました。

世帯数が減って収入が減っているので、単純に10年前と同じような枠組みで予算は組めないので、そこの工夫が必要だということもわかります。あと、ここ数年は備品・修繕費が多くなっていて20~30年前に更新したものの、再更新の時期が来ていたことがわかります。まだ、あと何年かはそういう支出が出そうだという話も区長さんとしていました。

5.変化を提案するための準備が大事

支出面を考えると、設備更新の関係で各世帯から追加でお金を出してもらうことはかなり難しいと感じています。現状でも他地区に比べらたら高めの年会費なので、現状でやりくりしないといけない。一方で設備関係の積立ても意識しないと単年度予算では難しい。長期的には施設の縮小なども考えないといけないです。もしくは稼ぐ方法を考える。

企業だと施設整備をしたら、減価償却があって、その分貯めていって更新みたいなことが考えられるのですが、集落の経営だと貯めるという視点をどう捉えるかが難しいです。

単年度制=使い切るという視点。自分の払ったお金は自分たちのために使いたいという視点。貯めてもそのころには自分は死んでるので出さないという視点、そことのせめぎあいです。

僕の地区は26年前の公民館立替で借入して立て替え、返済のために地区費が上がったことを教訓にいくらか積立てる文化があるので、まだ話がしやすいですが他の地域はどうなんでしょう。

施設整備に関して、行政も満額補助とかはもう出ないようになっているので、共助と公助のバランスは、会計的にも考えないといけない状況です。昔は半額補助だったものも、おそらく三分の1補助とかに変わっていくと思います。

そういうことを視覚的にも捉えてもらうための準備が必要です。総論賛成各論反対の世界なので、俯瞰的に議論ができるように。

同時に会計作業などをなるべく楽にしていって、やれる可能性のある人を多くしていく必要もあります。手を抜けるところは手を抜く。それもしれっと少しずつ導入してマニュアルに書き込んでいきます。

6.暮らしのコミュニティの再整理

もともとは農作業など、収入の関わりの多かった集落ですが、各自の収入源が農業以外に多様になり、関わりが切り離されました。そして、暮らしの共同体になったわけですが、生活様式も多様になり暮らしの共同体としても切り離されつつはあるのが現代かなと。

僕は子供がいることで、地域内の横のつながりが必要になっていますが、こどもの中学卒業くらいで、高齢になるまでは離れる可能性があります。高齢になることで、家の近くでの生活が増え、再度暮らしの共有部分が増えていくのではないか、そんな感じを周りの先輩方と話しながら感じています。

共有部分が出てこないと、合意形成も難しいので、お互いの共有部分が見えるようになっていくと良いかなと思っています。

生活の単位について考える機会になっているなと思っています。少しでもしなやかになれるように、ちょい提案をしながら、よい感じにしていきたいです。

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