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検索に出てこない地域のネタを旅する

鳥取でNPOやまちづくり会社の経営に関わるゲンヨウです。全国旅行支援をはじめとした、動きが始まっていますね。ガイドブックに載らない旅の仕組みもいろいろ動きがありまして、観光庁の”第二のふるさとづくりプロジェクト”の対象に鳥取県も選ばれています。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001480202.pdf

観光庁のプレスリリースの一部

1.鳥取市のまちなか旅のコーディネート

そんな中、鳥取市のまちなか旅のコーディネートをすることになりました。

1週間滞在コースと2泊3日の2コースに分かれてまして、どちらも冒頭にまちを一緒に歩いて、リノベーションとかまちづくりの文脈をお話しする感じ。僕は株式会社まるにわの役員でもあるので、まるにわの流れを説明したり、それに付随する話をしたりしました。

まちなか体験としては、いろいろ考えてみて提案していましたが、結局申込みいただいたのは”不真面目商店の店番”というものでした。下記は不真面目商店のインスタです。不真面目商店については、どこかでまとめて書かなくては、鳥取で半年で急に面白くなったプロジェクトです。

https://www.instagram.com/humajime205/

ざっくり言うと、空き家を活用してコミュニティスペースを大学生が中心になって運営しています。そこの土日のオープン日に店番してもらって、地域の方と交流してもらえたらという体験です。

2.オンラインの事前事後交流

事後はまだやっていないのですが、オンラインで関係性を作ってきたこの2年を活かして事前に交流させていただきました。どんな希望で鳥取に来られるかなと、少し押さえておくこと、顔を知るという機会として実施しました。

個人的には一番の良い感じだったのは、お互いのテンション感が少しそろえられたのかなと。従来の観光とはちょっと違う旅ではあるので、それを求める方々がどんな感じなのか。旅をする人からすると、どんな人がプランに伴走してくれるのか、そこが握れるのは大事かなと。もちろん、ここのオンライン交流のテンションを間違えちゃうと大変なのかもしれないですが、そこはもともとのファシリテーションスキルも全開で対応です。

オンライン事前事後交流は関係性を作っていくためには必要だと思います。

3.”まち”の解像度が高い旅

ちょうど、土曜日(11月19日)に来てくれた方をご案内する時間がありまして、鳥取の街中を2時間くらい歩いたり、僕らの活動を話したりと半日お付き合いしました。

その中では、将来地域での暮らしを選択したいであるとか、本業とは別に手触り感のある仕事にも興味がある。場所を選ばない仕事になったので、複数の拠点を持ちたいなどの話が聞かれまして、働き方・暮らしの多様性が広がっているんだなと、更に感じるようになりました。

そうなってくると、既存の旅のコンテンツでは”暮らし”は見えない”働き方”も見えないわけです。そういった”まち”の解像度の高い旅に注目が集まるというのもわかる気がします。

4.消費され続ける構造にしない事

似たような経験を聞いたことがあるなと思った時に、10年前くらいにはやったグリーンツーリズムや農村体験交流の文脈でした。”むら”の暮らしを体感したいという流れの中で、農村の人はそのおもてなしパワーを存分に発揮しすぎて疲れていってしまいました(うまくやっていたところもありますが)

田舎では普通だけど、都市部では貴重と呼ばれる体験も、数人が訪れるなら良いのですが、数十人が訪れればイベントになり、毎日少し山に行って取っていた山菜も前日に複数人で半日係で収穫に行かないといけない。そんなことが裏では起きてました。

農業ボランティアというカタチではあったけど、水路掃除に100人も殺到して一人当たりの掃除距離は数メートル。終了後のふるまい料理だけ食べる人も出てきたという話も聞いたことがあり、何のためにやってるんだろうなと客観的にも感じる状況もありました。

一人一人は少しの負担でも100人が殺到すれば壊れてしまう。人口差があるので、都市のちょっとは”むら”のたくさんなわけです。10年前なので、まだまだ観光=おもてなしという感じにもなっていて、結果的には続かなかったところが多かったなと。同じようなことが、第二のふるさとでも起きてしまっては意味が無いと思うのです。

5.参加者の入口をあえて狭くする

誰でも来れる旅にしないという方法がありなのかなと考えています。わかりやすい戦略は高単価にすること。付加価値高い旅なので、お金かかりますよというもの。とはいえ、かなり通な旅にはなるので高単価戦略だけでは難しい気もします。地域の暮らしはお金もらったからと言って共有できるものとできないものもあるので。

お互いが何かを提供するカタチにする。役務提供のかたちはどうでしょう。農村作業を担ってもらうなど、担い手側(生産側)に回ってもらうのは一つアリかと思います。調整コスト(コーディネート)部分を体験費用であてるといけるかも。地域側は労働力が手に入る、旅人は解像度の高い旅が実現できる、中間支援はシゴトになる。

提供できる労働力の質の部分、育成の部分、地域側がただ労働力になりすぎると扱いが雑になるので、解像度の高い旅にはならないので、ここはプログラムの組み方が大事になる気がします(だからこそのコーディネート)

6.解像度が高いままの圧倒的な一般化

解像度の高い旅を圧倒的に一般化したらどうなるのか、ヒントは地元のギフトにあるかもと思って、地元のギフトを見ています。

地域の生産者のものがカタログギフトになるというビジネスで長野の企業がやっています。カタログギフトという仕組みでありつつ、地域情報が編集者が入る事で解像度が高くなっている。

農家からすると、消費者向けの直売なわけなので、個別配送とかの準備が整っていれば、普段の商売と同じように対応できる。買いたい人からしても、応援だったり共感だったりするわけで、解像度の高い買い物ができる。

同じ感覚で旅のプラットフォームに置き換えると、”おてつたび”が同じような仕組みかも知れない。地域の仕事を旅というカタチに置き換えて提供する。アソビューだとどうなんだろう。単純にwebから申込み・販売管理ができるだけだと、解像度の高い旅は難しいのか(高単価にすればよいのかな)

人と人が出会うのが旅なので、そこはまだ考える余地がありそうだなと思うし、旅のCtoCまで振り切った方が良いのかもしれない。来週も1件受入れがあるので、そこでも考えてみたいなと思いました。

今日のおまけは、上記のネタを遠慮せずに更に深める感じにしてみます。

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