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#24 意思決定の判断基準 決定回避      「デフォルト効果」


デフォルト(初期値)効果とは?

何かを決めるにあたって、判断が難しいときに、「与えられたものでいいんじゃない?」「もともとあるものでいいんじゃない?」「このままでいいんじゃない?」など、初期値に従って判断することをデフォルト効果という。
人間の意思決定が初期値にしたがってしまう心理傾向。

臓器提供の意思表示

「脳死判定されたばあい、あなたは臓器提供を行いますか?」YES or NO
このYes,Noは国単位で大きく違いがあるらしい。
Yes…と答えた人の多い国 スウェーデン、ポルトガル、ポーランド、
            ハンガリー、フランス、ベルギーなど
Yes…と答えた人少ない国 ドイツ、イギリス、日本
この質問にYesと答える国民性はOK?Noと答える国民性はOK?
本当に国民性の問題?
じつは、この回答には秘密がある

日本だと保険証の裏に脳死判定時の臓器提供の意思の有無をチェックするエリアがあるはず。そこに臓器提供を希望する場合はチェックを入れるよね?
実はここがポイント!Yesの答えが少ないドイツイギリスもこれ!

一方、スウェーデン、ポルトガル、ポーランド、ハンガリー、フランス、ベルギーでは臓器提供を希望しない場合にチェックを入れる方式になっている。
もともとあるチェック項目に決定が寄っていく。つまり自然に初期値を選択するようになっている

臓器提供って大きな問題だから

脳死の際、臓器を提供するか、しないか? これはやっぱり大きな問題。わたしは一応チェックをつけた保険証を持っている。
「そうか、もし脳が死んだら最後に人の役に立って死にたいな」と思ったことがあったから。次の項目で差し上げる部位についてまた悩んだりして。「ん…この部位は酷使しているからあまり役に立たないか」「この部位は天国まで持っていきたいし残してもらおう」とか。
その後に「わたしはこう決めたから、皆さんよろしく!」と家族に告げると「えー、ちょっと一人で決めんといてよ!」と当時は学生だった娘を筆頭に「ちょっと待て!ちょっと待て!」合戦が始まった。
いや、新しい保険証にチェックつけただけやし、そうなるとは決まってないしね。

臓器を提供しないとなると、こんなやり取りはなかったかもしれない。脳死を想像して、差し上げる臓器を選び、その決意を家族に伝え、ディスカッションを行う(最終的にはわたしの意志にゆだねられたが)。

やはり手間である。
手間なことを、人間は嫌う。

国民性に関係はない

つまり、どのようなクエスチョンになっていたかの違いが意思決定に大きく影響したわけで、臓器提供についての国民的な考え方の違いではないようである。手間なことを嫌うのは、どの国の人間も一緒!

アメリカでは確定拠出型年金についてこの方法で、加入者を増やしたとか。
年金に入りたい人はチェックをしてください
ではなく…
年金に入りたくない人はチェックをしてください
とした。
そして加入者が増えたとのデータがある。

もともとあるものをあまり変更したくない。
「あたえられたものでいいんじゃない?」
「このままでいいんじゃない?」
「もともとあるものでいいんじゃない?」

参考資料 Udemy 『はじめての行動経済学』 丹羽亮介講師




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