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#28 プロスペクト理論を支える「価値関数」と「確率加重関数」


人はココロで感じて生きている

人間の行動って、計算通りにはいかないのよね。ロボットじゃないからね。カウンセラーやっているとすごくわかる。「こーしろ、あーしろ」ってアドバイスすることがカウンセリングじゃないのよ。だからココロはいとおしい♡
(余談でした(笑))

価値関数って?

ある物事に対して感じる主観的な価値をあらわした関数のこと。人間の満足はどれだけ財産を持っているか?でもたらされるのではなくて、その財産が減るか?増えるか?の変化によってもたらされる。
100万円もっています!で満足するかしないかではなく、100万円から20万円減るか、増えるかという変化で満足するかしないかが決まるということなのだ。

この100万円はあくまで例であるが、人それぞれによってこのポイントがちがってくる。自分が基準と決めたところがポイントになる。
例えば、いまのお給料が30万円だとする。世間一般的にその金額が妥当かどうかということではなく、それがその人の基準だということ。その基準(ポイント)を参照点と呼ぶ。そこから増えるか減るか?5万増えると嬉しい、5万減ると悲しい。参照点がどこかによって判断が変ってくる=参照点依存性という。

https://liberal-arts-guide.com/prospect-theory/
リベラルアーツガイドより

5万円増えるか?5万円減るか?人間は上記グラフのように同じ期待値でも損失の方が(ブルーのラインが長いので)敏感である。
つまり「同じ金額でも得よりも損の方がダメージが強い」ということになる。

確率加重関数って?

人間の心が感じる確率のこと。同じ確率でも、ココロの中で確率を歪めて認識してしまう。

経済学では「人は合理的に意思決定をする」「期待値にそって選択をする」とあるが、ココロがあるからすべてがそう行くとは限らない。
合格率50%とうたわれても、それをネガティブにとる人もいればポジティブにとる人もいる。確率にかんする判断はもちろん人それぞれだが、そんな中にも人間の癖があることを見つけたのがダニエル・カーネマン教授。

低い確率を高く感じる癖
1%で1億円当たる宝くじ
☆この手術が成功しない確率は10%

小さな確率を目の前にすると、その確率よりも高く評価してしまう傾向
「もしかしたら・・・」とおもってしまう
飛行機事故に遭う確率は宝くじに当たる確率よりも低いけれど、飛行機事故のニュースとかを見てしまうと、かなりの確率で事故に遭遇するのでは?と思ってしまうよね?

高い確率を低く感じる癖
☆この手術が成功する確率は90%
☆この資格の合格率は60%

高い確率を目の前にすると、その確率よりも低く評価してしまう。
「もしかしたら・・・」とおもってしまう。
手術の成功率90%って結構高いけど、じゃあ残り10%ってどんなことがあり得るんですか?って思わず聞いてしまう。「あー、麻酔があわなかったりとかですね、もともとお持ちの病気が悪さをするとかですね」ってお医者さんは自分の腕には問題ないっすよ!って念を押していってくださっているんだが、なぜか最悪な方向を考えてしまうこともあったりして。

いろいろあるね…にんげんだもの!

次回から、ココロの感じ方についてさらに詳しく・・・


参考: 
【プロスペクト理論を分かりやすく】行動経済学で投資や恋愛で失敗する理由を知ろう! どさんこ北国の経済教室 (kitaguni-economics.com)

https://liberal-arts-guide.com/prospect-theory/リベラルアーツガイド

Udemy はじめての行動経済学 丹羽亮介講師


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