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行動経済学はじめの一歩:わたし的図解(その2)

2024.04.20の記事からの続きです


ナッジ"nudge” ちょっと肘でつつく

「面倒くさい」とか「今じゃなくても...」とか、ただ大した理由じゃないのに受けないひと。でも将来的に受診しておいたほうがいいよ、がん検診!ってとき、そう判断した人の直感の部分の認知バイアスに着目して操作を加える。
ナッジ"nudge”とは、人間にはありがちの非合理的な行動の中に法則を見つけてそこをつつくことで、行動の結果を望ましい方向へと促すために矯正きるんじゃない?ってこと。言葉には「ちょっと肘でつつく」「そっと後押しする」の意味がある。強制的でないこと、大きなお世話でないレベルであることも大きな要素の一つ。

”EAST"基本の4つのナッジで考える

がん検診をできるだけたくさんの人に受けてもらいたい、受けてもらえるような仕掛けをする。これがナッジ"nudge”。

まずは”EAST”と呼ばれる基本のナッジ4つで、受けない人の認知バイアスをつついて、行動の変容を試みたらどうなるか?
”EAST"とは、Easy(簡単)、Attractive(魅力的)、Social(社会的)、Timely(タイムリー)の4つをとったもの。

East(簡単)

心理学的に見て、人は面倒くさいことが嫌いである。
じゃあさ、受診するほうを簡単にして、受診しない選択を面倒くさくしたらいいんじゃね?
ってことで「受診しない方は手続きをしてください!」と発信してみるのは?あえて受けない方を面倒くさい作業とするナッジ!

Attractive(魅力的)

人は魅力的であることが好き。だから特典をつけて魅力をアップしてみるのはどうか?
「受診される方は検査キットを無料でお渡しします」
「来年の受診料を10%オフにします」
とか、検査を受けることがお得であることをアピールする。
(ちなみに、わたしの職場では人間ドッグを受けると半額補助してくれる。だから受診しているのだが、やはりお得は素晴らしい…と思う♡)

Social(社会的)

人は社会性を重んじるし、少数派になるのが苦手。ここをナッジ!
「すでに2人に1人は申し込み済みです」(嘘は言っちゃいかんのだが)
など、受けない方が少数派になりそうなことをアピールしてみる。
コロナの最中、マスク着用率で同じような気持ち体験をされた人は多いんじゃないかな?特に日本人には効果てきめんのナッジでは?

Timely(タイムリー)

これらを告知する時間やタイミングに注意すること。疲れていたり、おなかが空いているなど不快を感じるときには、人はこれらを受け入れられない。
会社なら「朝礼」の時間を利用するとか、家庭なら「朝ドラ後のテレビ情報番組の時間帯」を狙うとか(朝ドラの展開にもよるが…)。
話すタイミングを考えることもナッジ!

お金もかからず、強制的ではないのに大きな効果を狙うことができるナッジ!
認知バイアスをより調べていくと様々なことに活用できそうである。


参考文献 JAICO産業カウンセリング会報 3-4 2024.No411


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