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さゆり食堂(下)

サンマやマカロニサラダ、きんぴら
「まこも真似でいいや」
「同じなんてつまらないよ。あっちにデザートあるから持ってきて。すぐになくなるからさぁ」
わらをどけたり、積まれているわらを降ろしたりして、パフェやケーキを取ってきて、なんか少しドキドキした。
さゆりはもう座ってビールを飲んでいた。
「まこもビールでいいや。あれ、このオケはなんだろう」
どけてみた。
「わぁー日本酒だあ…こっちは?ビールだ。氷が浮いてる」
「へぇ~氷で冷やしてるのを飲むんだね。不思議だなあ~」
おしゃくですくってコップに入れ、さゆりのところへ行く。
「面白いでしょう」
「うん。面白くて探検したい。わぁー面白ろそうな煮物だね」
「食べてごらん。絶品だから」
「うん」
「ビール飲みながら、パフェって面白いね」
「これパフェじゃあないよ」
食べてみると魚のすり身だった。
そしてチョコレートがかかっている。
「不思議〜美味しい。さゆりはよく飲むようになったね。私なんかお酒やめたから、すぐ酔うかもなぁー」
いろんな話しをした。
さゆりが保育士になった話し。
「ストレス溜まるよぉ」
「へぇ~私は子供好きじゃあないからイヤだけど、さゆりは好きじゃあん」
「まぁね。やっぱ子供は可愛い。毎日、笑顔みてると癒やされるもんなぁ。まこは仕事どうしてるの?」
「なんとか、いろいろやってる。あまり聞かないで」
「はい、はい」
すくっとさゆりが立つと、芋焼酎を持ってきた。
「わぁー大丈夫なの?」
「平気よ、ここのお店のものはね」
「う〜ん」
「まこも飲みなよ。せっかく秘密のお店教えたんだからさ」
すると人が急にたって歌い始めた。
周りの人は手拍子をしている。
さゆりは気持ちよく手拍子をし、私もやってみた。
「本当、面白いお店だね」
「でしょう。食べて飲んで、どんちゃん騒ぎだよ。さゆりも歌うかな。だんご虫の歌」
「ははははぁー」
「明日、この裏のビルでACの集会があるから、聞きにおいでよ。まこ、結構悩んでたじゃん。私も行くから行こう?」
「うん、いいけど怖いなぁ。思いだすなぁ」
「抜け出しなよ。いいかげん」
「うーん」
「さぁ、酒酔い会社員がドッと来るから帰ろう。混むよ」
「じゃあ明日、スカートとバッグ持ってくるよ」
「ありがとう。まこにはいらなくなった本あげるから」
「わーーい」
「お会計するから先に出て」
「うん、ありがとうね。ごちそう様」
「だんご虫の歌、覚えておきなね。一緒に歌おう」
「いくらしたの?」
「ただ」

終わり

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