[ボクシング] いよいよ決戦!
WBC・WBOのベルトを賭けたスーパーバンタム級タイトルマッチがいよいよ開催される。
スティーブン・フルトンVS.井上尚弥
体格で勝るクレバーなアメリカンボクサーであるフルトンは完成度の高いボクシングで対戦相手を翻弄し、自分が勝つストーリーへと引き込んでいくのが上手い選手である。
対する井上はほとんどの人が知っているように、ハイレベルな技術の上に規格外のパワーが乗っかった怪物のようなボクサーだ。
その上、ディフェンス技術とタフネスも併せ持っており、バランスという点でも非常に優れている。
そんな二人は互いに未だ無敗。
ベルトと共にレコードにもはっきりとした結果が記される重要な一戦がついに行われることになる。
バンテージの件でフルトン陣営が日本のローカルルールに対して意見する場面があり、ニュースに取り上げられるようなこともあったが、計量・健康状態ともに問題なくパスされ、後は当日に勝負するだけとなった。
これまで鮮烈なKO勝利を多くの人々に届けてきた井上尚弥を有利と見る声が多い中、依然として自信の揺らがないフルトンは世界の認識を覆すことを楽しみにしている。
今更井上尚弥の強さを疑う者はいないとは思うが、スーパーバンタムの階級での戦いを見たことはないので未知数なところが多いのも確かだ。
ただ今回の階級は井上尚弥にとって、より適正の高い階級になるのでプラスになる要素の方が多くなってくるだろう。
問題はその階級の耐久力がどの程度のものなのかというところ。
もし井上が強振してもフルトンが耐えられるようであれば、強い攻撃を打ち込む回数が必然的に多くなってくるはずだ。
その結果、もし井上の拳が再び痛むようなことがあったとしたら、当然勝負はより厳しいものになってくる。
不調からの焦りで強引に前へ出たことで大きなカウンターをもらうことにもなるかもしれない。
個人的にフルトンが井上に効かせることが出来る攻撃があるとしたら“カウンター”になるのではないかと思っている。
ただ、井上尚弥がアクシデント無く12R通して戦うことが出来れば、必然的にフルトンはSバンタム級仕様の井上のパンチと長い間向き合い続けなければならないことになる。
Sバンタム級の井上尚弥がどれくらいパワーアップすることになるのかは分からないが、バンタム級での活躍を鑑みると物凄いことになることが予想される。
Sバンタム級へ転向した最初の戦いで、階級のラスボスとも言えるフルトンとの戦いを迎えた井上尚弥がどんな戦いを見てくれるのか非常に楽しみだ。
日本のスターが世界に衝撃を与え、その存在に対する認識を改めさせることになるのか、それとも階級スポーツにある壁とトップオブトップとの距離を感じるような結果となるのか。
武居由樹や清水聡の活躍の先に井上尚弥の試合が待っている今回の興行は、間違いなく熱く特別なイベントとなるだろう。