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[勝敗予想]ピョートル・ヤンVS.デイブソン・フィゲイレード

元フライ級王者のデイブソン・フィゲイレードは階級を上げてバンタム級に挑戦すると、フォント・ガーブラント・ヴェラといった実力者を次々と下して連勝を重ねていった。

そして遂にバンタム級の元王者であり現No.3のピョートル・ヤンに挑戦する。

一方のヤンは王座陥落から連敗を喫し、このまま転落していくかと思われたが、ソン・ヤドン戦に勝利を収めてなんとか踏み留まることに成功している。

ここまでの流れを考えると、良い流れに乗っているのはフィゲイレードの方になるのではないかと。

展開の少ない試合となるか?


(C)Zuffa LLC/UFC

ヤンとフィゲイレードは共に元王者ということもあって、かなりハイレベルな総合力を身に付けているが、どちらも相手を見るところがあるので、もしかしたら全体的に手数が少ない試合となるかもしれない。

特にフィゲイレードはバンタム級に上げてから「上手さ」が際立つようになり、「倒す」動きよりもテイクダウンなどでコントロールし、ポイントでリードすることでペースを掴んでいく戦い方にシフトしているように感じる。

なのでリスクのある動きを自分から先に仕掛けていくというよりも、待ちの姿勢でタイミングを見計らいながら試合を組み立てて行くことになるのではないかと思う。

それに対してヤンはスロースターターなところがあり、手数を多く出していくというよりは効果的な攻撃を強く打ち込んでいく感じのタイプなので、両者のスタイルを考えるともしかしたら1・2ラウンドはあまり動きがない展開となるかもしれない。

鍵となるテイクダウンディフェンス


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

お互いに見合う展開も予想される組み合わせではあるが、その中でも先に仕掛けていくことになるのはフィゲイレードの方になるのではないかと思う。

フィゲイレードは待つことにメリットが感じられなくなると先に動いて展開を作っていくところもあるので、カーフを当てて詰めていきながら手を出していくのではないかと感じる。

そしてフィゲイレードはかなり高い確率でテイクダウンを仕掛けていくと思われるので、ヤンはこれをしっかりと凌のいで主導権を渡さないようにすることが重要となってくるだろう。

王者時代のヤンは隙がなくテイクダウンを取れるイメージもほとんどなかったが、アルジャメイン・スターリング戦からそのイメージも変わり、テイクダウンに対するディフェンスが圧倒的という感じではなくなった。


©︎Getty Images / Icon Sportswire | Icon Sportswire

またショーン・オマリー戦以降、打撃面でも王者時代に見せていたような脅威的なイメージはなくなり、打ち合いでも勝てる可能性を感じさせるようになってきた。

それを考えると、今のヤンにとってフィゲイレードが持つスキルセットは非常に厄介であり、対処に苦しむ可能性が考えられる。

ただヤンのストライキングが強力なことに変わりはないので、スタンド勝負で手数を出していくことが出来ればリードしていくことは可能だと感じる。

しかし、テイクダウンの仕掛けを切ることが出来なければ、スタンドで優位になってもポイントではフィゲイレードにリードを奪われてしまう可能性が高い。

フィゲイレードはトップポジションやバックポジションからの攻撃にも長けている。

アグレッシブさが攻略手段となる?


©︎Getty Images / UFC | Buda Mendes

バンタム級でも連勝を続けるフィゲイレードがこれまでに一番苦戦を強いられた相手といえばブランドン・モレノになるのではないかと思う。

モレノはフィゲイレードが効果的な攻撃を仕掛けても前に出て、しっかりと攻撃を返していくアグレッシブさを持っていた。

モレノのような果敢に攻める勢いを持ったファイターは、相手に「気持ちの立て直し」「対策・対処」を行う時間を与えないところがあるので、考える時間があれば対処することが出来る能力を持ったファイターから余裕を奪い、弱体化させることが出来る性質を持っているのではないかと思う。

なのでヤンはそのアグレッシブさを出して、あの嵐のような攻撃を展開することが出来れば、フィゲイレードから余裕と主導権を奪って優位に立つことが出来るのではないだろうかと思う。

オフェンシブな動きでプレッシャーを掛けていくことが出来れば、ヤンはフィゲイレードに自身の強さを押し付けていくことが可能になるはずだ。

勝敗予想


©︎Getty Images / UFC | Jeff Bottari

●ピョートル・ヤンVS.○デイブソン・フィゲイレード
※3-0でフィゲイレードの5R判定勝利

ヤンの能力の高さや総合力はもちろんトップクラスで、それは紛れもない事実であると思うけれど、試合の組み立て方や敗戦による変化を含めて考えると、フィゲイレードを倒すことは難しいのではないかと感じる。

ヤンがスタイルを切り替えてくれば結果も変わってくると思うけれど、恐らくこれまで通りのやり方で試合を進めていくのではないかと思う。

そうなるとフィゲイレードの方が色々と出来ることが多くなってくると感じるので、仮にヤンが良い展開を作れたとしても逃げ道を作り出して対応していくことが出来ると思う。

そういった意味でもややフィゲイレードの方が有利なのではないかと感じている。

なので明確な差が出るイメージはないけれど、それぞれのラウンドを少しずつリードして押さえたフィゲイレードの方が、判定で勝利することになるのではないかと思う。

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