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王者・鈴木千裕が大晦日にクレベル・コイケの挑戦を受ける!

RIZINフェザー級王者の鈴木千裕が大晦日にクレベル・コイケを挑戦者に迎えてタイトル戦を行うことになった。

このカードは以前にも組まれており、その時はクレベルが鈴木を圧倒した。

しかし、クレベルが体重超過を犯していた為、王座を剥奪された上に試合はノーコンテストとして記録されている。


©︎RIZIN FF

その後、失ったタイトルを求めて再び動き出したクレベルは、金原正徳との試合に臨んだが、クレベルはここで久しく負けていなかった対日本人との試合を落とすことになる。

その一方で鈴木千裕はクレベル戦に敗れてから成長し、快進撃を続けていった。

パトリシオ・ピットブルというクレベルにも勝利を収めたBellatorのフェザー級チャンピオンを倒すという快挙を達成し、次戦では当時のRIZINフェザー級王者ヴガール・ケラモフと対戦し、相手のホームであるアゼルバイジャンの地で王者を打ち倒し見事タイトルの獲得に成功。

そして迎えた鈴木千裕の初防衛では、クレベル撃破を成した金原正徳と対戦し、日本人同士でフェザー級の頂上決戦が行われることになった。

結果は鈴木千裕のTKO勝利。


©︎RIZIN FF

こうして鈴木千裕はRIZINフェザー級という防衛率の非常に低い群雄割拠の階級を統べる王であることを改めて示すことになった。

そこまでの3戦はそれぞれがチャンピオンクラスであり、非常にレベルの高い強豪であったが、鈴木千裕はその3選手との戦いを全てフィニッシュ勝利で終わらせている。

連勝・王座獲得の鈴木千裕と敗戦と王座剥奪を経験したクレベル・コイケ。

そこからも分かるように、過去の対戦から両者の状況は対極的なものになっており、結果的に以前とは真逆の立場で再び見えることになっている。

敗戦から成長しクレベルが勝てなかった相手にも勝利を収めている鈴木千裕と、グラップリングにおいて圧倒的なまでの差を見せていたRIZIN2連勝中のクレベル。

以前とは大きく異なる二人の再戦となるため、前戦があまり参考にならないところがあり、結果の予想は難しい。

それ故に勝負論が高まる好カードとなっている。

柔術の対処は間に合うか?


©︎RIZIN FF

まず、猪突猛進で攻撃特化型の鈴木千裕と、巧みに罠を張って一瞬で相手を捕らえるクレベルでは、クレベルの方が相性的に優れていると考えられる。

テイクダウンが致命的となる鈴木と、下からでも極めることが出来るクレベルとではテイクダウンに対する警戒レベルも大きく異なってくる。

ガードポジション、バック、トップポジション、これらの展開全てでクレベルは優勢となることが考えられるので、鈴木はグラップリングの能力ですでに大きく負けていると言えるだろう。

なので鈴木は組みの展開を防ぎつつ、一番の武器であるストライキングをクレベルに押し付けていきたいところだが、クレベルは42試合をこなしてまだ一度もKO/TKOを経験しておらず、猛攻を上手くいなす技術に長けているところがある。

そのため鈴木が苛烈に攻めても決定打を得られるかどうかは怪しく、逆に猛攻で押し込む展開はクレベルの反撃の餌食となる危険性の方が高くなってしまうのではないかと思う。

どちらかと言うとクレベルは果敢に攻めてくる相手よりも、自身が持っている引き出しにしっかりと対応してくるファイターを苦手としているところがある。


©︎RIZIN FF

柔術スキルに特化しているクレベルはその分強力な武器を有しているが、総合的なバランスに欠けているところがあるため、トータルで強い選手の対処能力を前にすると手詰まりとなってしまうケースがこれまでにも見られている。

なので打撃で脅威を与えながらテイクダウンや組みの展開でディフェンス処理をしっかり行うことが出来れば、鈴木が有利に試合を進めていけるかもしれない。

ただ、柔術スキルを高めるにはかなりの時間を要するので、クレベルクラスの柔術テクニックに対応できるだけの技術を鈴木が身に付けるにはまだ時間が足りていないのではないかと思う。

それを考えると、やはり相性的にも技術的にも一歩リードしているのはクレベルの方になるのではないだろうか。


©︎RIZIN FF

鈴木がその差を埋めていくためには、勝ち方の引き出しを広げていく対応能力の高さを養っていく必要があるのかもしれない。

そのためには現在の勝ち方以外の選択肢と、それに対応するだけの技術が必要になる。

そこを押さえることで不利相性も解消できる安定感を持ったMMAファイターへと成長を遂げていくことが出来るのではないかと思うが、果たして準備は間に合っているのか。


©︎RIZIN FF

かなり深い時間帯に行われることになるというこのタイトルマッチ。

これがコンディションの面で両選手にどのような影響を及ぼすことになるのかという点も気になるが、今回のRIZINフェザー級タイトルマッチはフェザー級の力関係をある程度分かり易くするものにもなると思うので、フェザー級のランク分けが朧げに見えてくることになるかもしれない。

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