![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161213057/rectangle_large_type_2_065fc795052aa056ee81a1f585d43769.jpeg?width=1200)
[ONE169]王座を見据えるフライ級の一戦。
○(1)アドリアーノ・モラエスVS.●(3)ダニー・キンガッド
※モラエスの2R一本勝ち。(ギロチンチョーク)
![](https://assets.st-note.com/img/1731147863-sqKr98FjEimf4uctkThyalQg.jpg?width=1200)
空位の王座を求めて再び動き始めたフライ級。
トップランカー同士の戦いは1Rで意外な動きを見せた。
モラエスがラウンド早々にテイクダウンを仕掛けてキンガッドを寝かせることに成功したが、キンガッドは早い段階で抜け出し、逆にモラエスを寝かせてを上を取っていく。
この段階では、下からも得意なモラエスが攻撃を仕掛けていくためにあえてすんなりと背中を付けたかのように見えた。
実際にモラエスは下から腕十字を狙って動いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1731148011-z5BPY8IyXuofURDl3vAct6dw.jpg?width=1200)
しかし、ここでキンガッドのパウンドを不用意に貰ってしまったモラエスは下のポジションにいる状態で効かされるというかなり危ない状態となってしまう。
そこからはキンガッドの力強い上からの攻撃に組み敷かれるような展開となり、グラウンドの攻防でモラエスが攻め立てられるという意外な状況となった。
この1Rからキンガッドの体幹の強さやパワーといった武器が、モラエスに脅威を与える形で機能していたことが分かった。
それは2Rに入ってからも同様だった。
2R開始から一発のあるキンガッドがスタンドでプレッシャーを掛けてゆき、モラエスを下がらせながらパンチを強振していく怖い展開を作っていった。
![](https://assets.st-note.com/img/1731148061-yLG4ZQ3oUxY1nu7b8OdTARm2.jpg?width=1200)
ただ、キンガッドの攻撃は単調でモーションも大きく、パターンと動きが読まれやすい欠点がある。
プレッシャーを受けるモラエスは口を開けて呼吸しながらも、キンガッドの攻撃をよく見て2Rの途中から攻撃を返し始めていく。
そしてモラエスはキンガッドの大振りに合わせてタックルに入り、テイクダウンを奪う。
キンガッドは下からアームロックを狙うことでエスケープのチャンスを作っていこうとするが、逆にモラエスがその仕掛けを解除すると共にハーフガードをパスして上四方の状態に移行する。
これに反応したキンガッドは仰向けからうつ伏せに体を返すが、モラエスにがぶられる状態となってしまう。
この時すでにモラエスは長い腕をキンガッドの首に巻き付けていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1731148102-ytTiYhLJu4eMDVHA6XvIRrxf.jpg?width=1200)
慌てて危機から脱しようとするキンガッドは首を抱えられた状態のままロープにドライブしていったが、これが良くなかった。
首に巻き付いた腕への対処を丁寧に行えなかったキンガッドは、ドライブの勢いに合わせてギロチンチョークを深く極められてしまい、これを解除する事もできず最後はタップを奪われ一本負けを喫する結果となった。
これでキンガッドは対モラエス戦で2連続の一本負けを喫したことになる。
今回の一戦は結果的にモラエスの引き出しの多さと対応力がキンガッドの力強さを上回ったことを示した。
キンガッドも若松戦の時と比べるとパフォーマンスが良くなっていたように見えたが、モラエス超えとはいかず厳しい連敗。
これでチャンピオンに相応しい実力者がどちらなのかを示したモラエスは空となった王座を目の前にすることになった。
![](https://assets.st-note.com/img/1731148328-OmjKGQJVhxobvLsD47d2p3WY.jpg?width=1200)
次戦は若松佑弥VS.ギルバート・ナカタニの勝者か、それともリース・マクラーレンと組まれるのか、何れにせよそう遠くないうちにフライ級王座決定戦は実施されることになるのではないかと思う。