更なる活躍を期待したい日本人ファイター
SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024に出場した吉成名高が初のOFG戦を行った。
対戦相手はバックチョー・シックンナ。
正直実力差があり過ぎて白けてしまうレベルの対戦相手であり、いわゆる噛ませと言われるような組み合わせになっていた。
吉成名高の派手なフィニッシュを演出するための相手にしかなっていなかった印象なので、試合の内容に注目できるようなポイントはほとんどなかったが、吉成はその相手に飛び膝蹴りを決めて1R KO勝利を収め、やるべき仕事はきっちりとこなして試合を締めている。
追撃の飛び膝でフィニッシュする吉成名高
KOが求められる相手をちゃんとKOする、これを逃さずしっかりと実行しているところに吉成名高の確かな実力を感じ取ることが出来る。
だからこそ彼にはもっと大きな舞台で活躍してほしいと思ってしまう。
ムエタイの強豪として世界一の実力を示すという意味でもONE Championshipへの参戦を期待せずにはいられない。
これまで吉成はムエタイの世界で圧倒的な強さを見せ、RIZINでもその活躍を見せて来た。
なので、もちろん実力が本物であるということは分かっているのだけれど、世界的にも広く知られているような実力者とビッグマッチを行うという経験は今のところないのではないかと思う。
そういった舞台で自身の実力を改めて証明し、現在の環境で本当の意味での世界一を名乗るためには、やはりONEのベルトを獲得する必要があるだろう。
そんな偉業達成に大きな期待を寄せることができる実力者だからこそ、ONEへ参戦を強く期待してしまうのだが、そこに難しさがあることもまた確かだ。
吉成がONEのムエタイに参戦するとなればフライ級を主戦場とすることになると思われるので、その場合の契約体重は56.8〜61.2kgになる。
それに比べて、現在吉成が活躍してるラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級の契約体重は52.16kgであり、ONEのフライ級とは体重が大きく異なっていることが分かる。
つまり吉成がONEのフライ級に参戦するためには大幅な階級アップが必要となってしまうため、ハードルが高いことは間違いないだろう。
また仮に体重を合わせることが出来たとしても、元々のフィジカルに差があることを考えると吉成の攻撃がこれまでのようには通用しない可能性があり、思った成果を上げられない可能性もある。
逆にダメージをこれまで以上に受ける可能性が高まり、勝率が大きく下がってしまうことになるかもしれない。
それを考えると吉成名高がONEに挑戦しても思ったような活躍は見られない可能性も考えられる。
しかし吉成はまだ23歳と若いので、ここから時間を掛けて肉体を強化していくことが出来れば、ONEに通用するだけの身体を準備することも可能となるのではないかと思う。
現時点では間違いなくONEがキック・ムエタイの最高峰になっていると思うので、将来的には日本を代表するムエタイファイターの吉成名高がそこに挑戦し、活躍していく姿が見られることを期待したい。
那須川天心はキックで、吉成名高はムエタイで、国内やその団体のスターとして活躍を見せてきたが、海外の団体でも王座まで上り詰め本当の意味での世界一を示すということは出来ていない。
なので秋元皓貴や青木真也のように世界の舞台で改めて実力を証明する姿を見せて、真のトップファイターであるということを国内外のファンに見せつけて欲しいと感じる。
まだ若く可能性溢れる吉成名高が今後どのようにキャリアを積んでいくことになるのか、そんな若き才能の今後にも注目が向けられる。