見出し画像

井岡はマルティネスとの再戦を制することが出来るのか?

大晦日に行われるWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチで現王者であるフェルナンド・マルティネスにリベンジを挑む井岡一翔は無敗の王者に土を着け、王座を取り返すことが出来るのか。

誰もが知る技巧派ボクサーの井岡はその技術力で多くの勝利を挙げ、4つの階級で世界王者に輝くという偉業を成している。

しかしその技術を以ってしても攻略することが出来なかったのがこのフェルナンド・マルティネス。

パワーのあるパンチと手数を武器としたマルティネスの回転力を井岡は最後まで抑えることが出来ず、マルティネスに最初から最後までほとんどペースを握られる形となってしまった。

その一つの要因として、井岡はマルティネスの攻撃リズムに対応することが出来ず、常に後手に回ってしまっていたというところがあるのではないかと思う。

自分のタイミングを掴もうと手を拱いているうちにどんどんマルティネスにリードを許してしまうような、そんな状況に陥っていたと感じる。

なので、井岡がリベンジを果たすためにはマルティネスの手数と勢いを止め、攻撃の主導権とリズムを自分のものにする必要があるのではないかと思う。

その辺りの対策を井岡陣営がどう準備してくるのか、ここが最大の見所になると感じている。

ジャブをもっと効果的に活かして前に出辛くさせるのか、それとも打ち終わりやカウンターを狙って大きなダメージを与える展開作りをするのか。

井岡のボディは前回の戦いで唯一マルティネスを苦しめる攻撃となっていたので、今回の戦いでも一つの狙いとして「ボディを合わせる」という策は忍ばされているのではないかと思う。


Photo By スポニチ

ただ、他の部分でマルティネスが井岡のパンチを怖がっていた様子はなく、だからこそ思い切り前進しながら手を出し続けることが出来ていたのではないかと思うので、井岡も攻撃力でマルティネスに警戒心を抱かせるような展開を作っていく必要があると思われる。

ボディ以外にも警戒すべき攻撃手段を用意することで各部位に対するディフェンスを難度を上げ、攻撃を通しやすくすることが出来れば追い詰めていくことも可能となってくるだろう。

ただ、「攻撃は最大の防御」を体現したようなマルティネスのスタイルは井岡の効果的な攻撃を要所で刺していくファイトスタイルに対して有利に働く相性を持っているように感じる。

マルティネスを攻略するためには攻撃力と回転力そして手数といった部分での勝負で勝つことが出来ないと、勝利にまで結びつけていくことは難しいのではないかと思うので、それを考えると再戦でも井岡のスタイルでは王者マルティネスを落とすところまでは持っていけないのではないかと感じる。

勝利を期待しているのはもちろん井岡一翔の方ではあるのだが、現時点では3-0もしくは2-1の判定でマルティネスが防衛に成功してしまう結果になるのではないか、そんな気がしてしまう。

苦手な相性と思われるこのマルティネスを相手に井岡が勝利を収めるには、これまで通りのスタイルでは厳しいと思うので、新しい要素や工夫をどのように取り入れ、この無敗の王者に対抗していくのか。

そこに注目が向けられる。

日本きっての技巧派ボクサーである井岡一翔がこの再戦で改めて技術力の高さを証明する、大晦日にそんなあっと言わせるような戦い振りを見せ、王座へと返り咲く姿が見られることを期待したい。

35歳の井岡は、ここでまた一つ進化した姿を見せてくれるのかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!