マゴメド・アンカラエフがライトヘビー級王座に挑戦!
UFC313のメインイベントとしてライトヘビー級タイトルマッチとなるアレックス・ペレイラVS.マゴメド・アンカラエフが行われることになった。
王者とランキング1位なので当然の組み合わせではあるが、決定までに少し時間が掛かった印象がある。
何にせよ決定したこの戦いは正真正銘のライトヘビー級頂上決戦となる。
現在のライトヘビー級のトップランカーで打倒ペレイラの可能性を残しているのはこのアンカラエフだけになるので、多くのファンから期待を寄せられることになるのではないかと思う。
またそれと同じくらいにペレイラのKO勝利にも期待が寄せられることになるはずだ。
つまり大注目の一戦になるということ。
アンカラエフがペレイラという怪物を退治する姿を見せるのか、それともポアタンがその強力な拳でアンカラエフさえもKOしてしまうのか。
イリー・プロハースカVS.アレックス・ペレイラ以来の好カードと言えるこのタイトルマッチは、ハイレベルな展開になることが予想される。
アンカラエフの可能性とペレイラの打撃
これまでの挑戦者はペレイラの打撃を恐れている様子が滲んでいるところがあったが、アンカラエフがそのような姿勢を見せるということは考えづらく、面と向かって行くことが出来るのではないかと思うので、そういった意味でもペレイラに対抗することが出来る可能性を秘めていると感じる。
ペレイラの打撃に恐れることなく向かっていき、王者の懐にアンカラエフが入っていくことが出来れば、強力な攻撃を届かせることも可能になってくると思われるので、そうなった時にペレイラがどのような対処を見せるのかというところも注目ポイントになってくるのではないだろうか。
ペレイラも打たれ強くはないので、アンカラエフの一撃が入れば一瞬で試合が終わる可能性も十分にある。
タフネスの部分ではアンカラエフの方が優れていると思うので、試合が長引けばアンカラエフが押し切るような結果になるかもしれない。
また、アンカラエフがテイクダウンなどグラップリングの展開を取り入れて、キックボクシングではなくMMAを行なっていく戦い方を選択したとしたら、ペレイラの強みを挫き、追い込んでいくような流れになる可能性もある。
どうしてもあのペレイラの破壊力がイメージとして残っているため、アンカラエフも倒されてしまう可能性を考えてしまうが、アンカラエフはこれまでの挑戦者と同じ末路は辿らないのではないかと思う。
「簡単には終わらない・終わらせることが出来ない」のがロシアの強豪ファイターが持つ特徴だと感じるので、アンカラエフはこれまでの挑戦者が見せられなかった内容を生み出してくれるのではないかと思う。
懸念されるのは、ペレイラの「カーフキック」である。
打ち方の上手さや当て方など色々な技術的要素があるのだと思うが、とにかくペレイラの打撃は「効かせる」ということに長けており、一発で致命的なダメージを与えることが出来てしまう。
アンカラエフはカーフを効かされて苦しんだ試合もあるので、それを考えるとペレイラのカーフは特に警戒すべき攻撃となるはすだ。
5Rマッチの前半で足を効かされてしまったら生き残ることは極めて難しくなる。
その辺りの対処を含めてアンカラエフがどう動いていくのかが気になるところ。
王座防衛に成功すれば・・・
このタイトルマッチに勝利することが出来れば、ペレイラはライトヘビー級のトップランカーを一掃したことになる上に、タイトル防衛数が歴代2位の5回をマークすることになる。
記録を残すことに加えて倒すべき相手を倒してしまったとなれば、ペレイラは次の目標に向けて動くことになるかもしれない。
防衛数の記録更新を狙う可能性もあるが、より高みを目指すのであればそれよりも3階級制覇という前人未到の偉業達成を狙っていくのではないだろうか。
それが仮に達成されることになれば、ペレイラはUFCの歴史を変えた存在として名を残すことになる。
その展開は一ファンとして非常に興味深いものになるので、ペレイラの新たな挑戦という展開を期待したいと気持ちはある。
ただ当然ながらその為にはまずペレイラがアンカラエフを退けるという高難易度のミッションをクリアしなければならない。
そういった要素を鑑みると、改めてこのタイトルマッチもまた大きな分岐点として機能していることを感じる。
まずは勝負論のあるこの大注目の一戦が怪我なく予定通り執り行われることを願いながらその時を待ちたいと思う。