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これからに期待が向けられるMMAファイター(海外編)

海外には多くの団体があり、それぞれに所属する選手たちがいる。

その数や規模は国内と比べ物にならないほど大きいので、その中でも最も説得力のあるところからピンポイントに期待の選手をピックアップしたいと思う。

そうなると必然的にUFCの中からということになるが、世界最高峰のMMA団体であるUFCには多くの優れた才能が集結するので、「期待が向けられる」という点だけでは共通するファイターが何人も出て来てしまうことになる。

なので、「期待」という要素だけでなく、勝敗以前にその人物や試合内容に注目が向けられるような「ユニークさ」にも焦点を当てて選出したいと思う。

そういった考えの下で導き出されたファイターの名前は、UFCバンタム級のプロスペクト、ペイトン・タルボットである。

ペイトン・タルボット


©︎Zuffa LLC/UFC

次のスター選手という見方もある無敗のタルボットは、その実力だけでなくキャラクターもスター性を感じさせるところがある。

ヒーローよりもヴィランを好み、不遜さと自信に満ちた立ち振る舞い。

そしてそれを魅力に変えるだけのパフォーマンスを見せることで出来る高い実力。

それは多くの観客を魅了し、夢中にさせる。

26歳かつMMA9戦という戦績でそれだけの輝きを見せることが出来るタルボットはやはり何か「違うモノ」を持ったファイターであると感じる。

自分の気持ちに忠実で常に自然体でいるような、ナチュラルな落ち着きと明確な意志を併せ持つタルボットは、上手く力を抜きながらも目的を遂行することができる「優れたバランス感覚」を持った稀有な存在なのではないかと思う。

普通は力んでしまうようなところでも自然体を維持できる上に、ちゃんとした狙いも忘れない冷静さとクリエイティブな発想を持っているので、「戦う」ということに対して恐ろしいほどの適正を見せていると感じる。

その結果、体力の消耗を抑えミスの防止にも優れることになり、試合の中で優位に立つことが可能となる。

試合の中で力みや焦りが発生しないというのは、攻防の緻密さやスタミナ管理という点で有利性を生み、相手を追い詰める武器となって機能していくことになるので、大きなアドバンテージになっていると考えることが出来る。

タルボット自身も自分の強みはハイペースで15分間戦い続けられるスタミナがあることだと語っており、その有利性を上手く活用して戦っていることがよく分かる。

実際にタルボットと対戦した選手は彼のペースに巻き込まれて苦しい試合を強いられていることが多い。

なので技術や戦術といった部分で多くの引き出しを持っているような、余程の手練れでなければ、タルボットが作り出すペースを乱していくことは出来ないのではないかと思う。

タルボットがそれだけの引き出しを持つファイターと当たった時にどのような対応を見せるのか、もしくはそういったファイターと当たるまでに更なる成長を遂げていた場合はどうなるのか。

そこが非常に気になるところではあるが、当のタルボット自身は自分がかなり早い段階で王座を獲得するという予想を立てており、特に気にもしていない様子。

何か強力なバックボーンがあるわけでもなく、スポーツで目立った成績を残している訳でもないのにこれだけの自信を覗かせ、UFCで結果を出しているタルボットはやはり不思議な魅力で包まれていると感じる。

そんなタルボットはこれからも間違いなく面白いMMAを見せてくれることになるだろう。

まだまだ若手でありながら、「実力」「スター性」「ユニークさ」を兼ね備えているルーキーは、正に現在から未来にかけて注目を向けることの出来る期待のネクストファイターになっていると言えるのではないだろうか。

上位ランカーとの戦いがすでに待ち遠しい。


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