ベラトールブランドの終了に伴う変化とRIZINへの影響
いよいよベラトールの消滅が近づいているということが報道で明かされ、それに伴いPFLは体制を変化させていく見込みとなっている。
PFLは現状、その試合数の少なさから所属選手による抗議も行われており、円滑に回していくことが出来なくなっている状態を露わにしている。
そんな中、ベラトールブランドの終了やシーズン形式からトーナメントへの変更、そしてファイターのモチベーションとなる賞金は100万ドルから50万ドルへと大きく引き下げられることになった。
そこからも今回の変更は財政の立て直しを含めたで動きであることが窺えるので、PFLは団体をより扱いやすいサイズに変更し、コンパクト化を進めていくことも考えられる。
そうなると必然的に所属選手のリリースが促されることになると思うので、優秀なファイターが他の団体へと移る機会が増えてくるのではないかと思われる。
多くの選手はUFCを望むだろうと思うが、UFCはハードルの高い狭き門であるため、余程名のある選手でなければすんなりUFCへと移籍することは出来ないだろう。
なので考えられる選択肢として優先的に浮上してくるのは、ONEやRIZINといったその先へのステップアップを狙える団体へまず移籍していくという流れになるのではないだろうか。
しかし試合数という意味ではUFCほどの機会を準備できる団体は他になく、その問題をしっかりと解消できるかと言えば難しいところがある。
加えてPFLやONEは契約による拘束がハッキリしているので、飼い殺し状態にされてしまう恐れもあるだろう。
それを考えるとレベルは劣るがRIZINへと移籍し、その先のUFCを狙うという動きを見せるファイターがそれなりに出てくるようになってもおかしくない。
現にRIZINはUFCとのパイプを持ち、優秀な選手が移籍するというケースも多々見られている。
またRIZINはタイトル保持者が他の団体の試合に出場することを認めるといった柔軟さも見せており、契約の緩和を求めるような選手たちにとっても可能性を感じる団体として映ることになるのではないかと思う。
RIZIN浮上なるか
海外選手にとって比較的都合の良い環境となり得るRIZINが、PFLのリリースに伴い多くの海外選手を獲得するようなことになれば、改めて競争力は拡大し、UFCとの連携も密になっていく過程で、団体の規模をより大きなものとしていける可能性がある。
しかし、その内容に伴う器が準備されているかと言ったらそういう訳ではないと思うので、無理に選手を取り入れて拡大すれば、他の団体の二の舞となってしまうだろう。
またUFCへの踏み台として活用される事実上の下部組織に成り下がってしまうという懸念もあり、良くも悪くも保ってきたRIZINの独自性の価値が失われてしまう恐れもある。
ただ、上手くバランスを取り、獲得選手を厳選しながら団体の競争力を高めていくことが出来れば、世界から注目を向けられる団体へと発展していく可能性は高いのではないかと思う。
現在のRIZINは一部の選手の実力が飛び抜けている状態になっているので、そのファイターに匹敵する存在をピンポイントに獲得することが出来れば、必然的にRIZINのベルトを獲得する難易度も上がっていくことになるので、その価値も上がっていくことになるのではないかと思われる。
そうなれば説得力を得られることになり、これからの活躍が期待される選手が目指す団体として注目を浴びることになってくるかもしれない。
過剰になり過ぎてはいけないと思うが、活気と盛り上がりを取り戻すチャンスが巡るタイミングに差し掛かっているのかもしれないので、PFLの今後とRIZINの動きには注目したいところ。
流石にチャンピオンが移籍してくることはないだろうと思うが、海外団体の強豪がさらに移籍してくるということになれば、JMMAの進化も必須となり、そこで取り残されるようなことになってしまうと、日本の団体でありながら日本人ファイターの活躍が見られないという悲惨な結果を迎えることになってしまうだろう。
なので改めてMMAファイター育成の環境強化が望まれる。