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[UFC309]待望のヘビー級タイトルマッチ

ヘビー級タイトルマッチ

(C)ジョン・ジョーンズVS.(8)スティぺ・ミオシッチ


©︎Getty Images / UFC | Josh Hedges

GOATと呼ばれるレジェンドファイターであり、未だに現役で活躍しているジョン・ジョーンズは、シリル・ガーンを一瞬で極めて王座を獲得してから初の防衛戦を迎える。

挑戦者のスティぺ・ミオシッチフランシス・ガヌーを一度倒し、ダニエル・コーミエとの激戦を制した元ヘビー級王者であり、ヘビー級の最多防衛記録を持っているファイターでもある。

そんな二人の対戦はジョーンズがヘビー級に挑戦するとなった時から望まれていたものであり、ファン待望のカードではあったが、実現までに時間が掛かり過ぎてしまった感は否めない。

37歳のジョーンズもキャリア晩年と言える年齢になっているが、42歳のミオシッチはとっくに引退していてもおかしくない年齢である。

なので当然ファイターとしての強度は落ちているだろうと考えられる。

特に挑戦者のミオシッチは5Rをしっかり戦い切ることが出来るのかさえ怪しい。

展開考察


©︎Getty Images / Getty Images Sport | Chris Graythen

恐らくジョーンズは身に付けた「重さ」を活かしながらグラップリングでリードを奪う動きを見せてくるのではないかと思う。

なので1R目のジョーンズの攻撃をミオシッチがしっかりと対処することが出来るかどうかでこの試合の結果は大きく変わってくることになると思われる。

もし対処することが出来なければ、かなり早い段階での決着もあり得るだろう。

総合力が高く何でも出来るミオシッチはそこに対処していくだけのスキルを持っているとは思うが、年齢とブランクがどう影響してくるか。

仮に対処出来たとしても、そこから消耗戦となっていった場合ミオシッチはかなりキツくなってくるのではないかと感じる。

後半のラウンドでミオシッチが組みの展開に持ち堪えられなくなってしまうと、そこでジョーンズにポイントをごっそり持っていかれたり、一本を極められたりしてしまう可能性がかなり高くなってくる。

そこを回避するためにもミオシッチはジョーンズのレスリングに対応しながらストライキングでリードを図っていきたいが、手数とスタミナを維持出来るかどうか。

チャンスがあればミオシッチがテイクダウンを狙っていく展開もあり得ると思うが、サブミッションの引き出しやグラウンドの攻防技術はジョーンズの方が上手だと感じるので、そこの勝負にこだわるとミオシッチはカウンターを喰らってしまうことになるかもしれない。

ミオシッチがジョーンズの名に臆する事がなければ面白いMMAになるのではないかと思うけれど、「ファイトIQの高さ」「戦闘の上手さ」でジョーンズが勝り、要所要所でリードを確保していく流れになるのではないかと思う。

勝敗予想


©︎Getty Images / Getty Images Sport | Chris Graythen

ジョン・ジョーンズが2R TKO勝利(パウンドアウト)で王座初防衛。

1Rにジョーンズのレスリングで削られたミオシッチが2R目もその攻撃を切ることが出来ず、一本を狙う仕掛けとパウンドを織り交ぜた攻撃を防御しながら動く中でジョーンズに有利なポジションを奪われ、防御するしかない状況でパウンド浴び続ける。そこをレフェリーがストップして試合終了。

ブランクのあるミオシッチに自分の試合をさせなかったジョーンズが、なんだかんだ圧倒してしまう展開になるのではないかと予想。

ミオシッチはジョーンズの攻撃を切ることが出来ず、対応が追い付く前に決着を付けられてしまうのではないかと感じる。

ヘビー級に馴染んでいくジョーンズ


ESPN MMA

ジョーンズを倒せるチャンスが一番高かったのは恐らくヘビー級初戦のシリル・ガーン戦で、ヘビー級での体重調整やコンディションのコントロールなど色々と経験が浅い状態だった分、付け入る隙がまだ多く、予想外な事態を引き起こせる可能性が高った。

現にガーン戦でのジョーンズの動きは重く、スタンドのパフォーマンスはあまり良いとは感じなかった。

しかし、ヘビー級での戦いを経験したジョーンズは初戦の時よりも体を絞り、ヘビー級に必要な「スピードとキレ」を生み出せる状態に整えてきている。

そうなるとヘビー級でも彼を攻略するのは難しくなってくるのではないかと思う。

階級転向によってパフォーマンスに難があるうちが狙い時だろうと思っていたが、試合間隔が空いているジョーンズはその不安定となる時期を避け、時間をかけて状態を安定させることで勝てる状況を作り出して来ている。

怪我による延期もそのために上手く立ち回る手段の一つだったのではないかと穿った見方をしてしまう。

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