西田凌佑、IBF王座初防衛に成功!
IBF世界バンタム級王者の西田凌佑が7R KO勝利で初防衛に成功した。
○(C)西田凌佑VS.●(14)アヌチャイ・ドーンスア
※西田凌佑の7R KO勝利(左ボディ)。初防衛成功。
西田は16戦無敗のアヌチャイを挑戦者に迎えて初めての防衛戦を行った。
エマヌエル・ロドリゲスを倒して王座を獲得した西田の初防衛戦は、他のバンタム級王者との統一戦が見据えられているということもあり、その内容に注目が向けられる一戦にもなっていた。
キャリアを見てもKO率は高くない西田は、そのテクニックと試合作りの上手さを武器としている。
今回の防衛戦も果敢に攻める思い切りの良いアヌチャイの攻撃を捌きながら、要所で効果的なパンチを返してポイントをリードし、また細かいジャブも常に出していたので、手数でも劣ることが無かった。
この試合運びは安定した流れを確保できるという意味で非常に強力な武器となっていると考えられる。
ブロッキングやステップバックによるディフェンスもよく機能していて、全体的に危なげない試合となっていたのではないかと思う。
本人はもっと良い内容を求めていたようだが、ちゃんと14位の挑戦者に差を付ける内容になっていたと感じる。
何よりカウンターで当てた左ボディでKOを奪っているので、他のバンタム級王者にも劣らない試合内容で勝ちを収めることが出来たと言っていいのではないかと思う。
あの効き方は完全に見えていなかったと思われるので、チャンピオンはそれぐらいの精密なカウンターボディを放っていたと言える。
ハードパンチャーではないので、バッタバッタと薙ぎ倒すような戦い方にはならないと思うが、この上手さを活かした攻撃でピンポイントにダウンを奪っていく技巧派ボクサーとして今後も強さを発揮していくことになるのではないかと思う。
今の状況を見るとIBFのバンタム級王座だけ妙に扱いが弱いように感じるが、実力では全く劣っていないと思うので、西田凌佑が今後色々と見返していくことを期待したい。
ただ一人、遥か先を行く男
ただ、やはり中谷潤人だけはその中でも別格だと思うので、ここを超えるのはかなり厳しいだろうと思われる。
エマヌエル・ロドリゲス以上の高い壁であることは間違いない。
試合後に西田は中谷に対戦要求していたが、彼との間にある差はまだまだ埋めることが出来ていないのではないかと感じる。
バンタム級で一番を目指すには絶対に倒さなくてはならない相手なので、西田が対戦要求すること自体は当然のことなのだが、土台の大きさに圧倒的な違いがあると思われる中谷を倒せる存在が今のバンタム級にいるとは思えない。
なのでバンタム級の選手たちは総力をあげてこの中谷潤人を暴いていく必要がある。
これから行われることになるであろう日本人王者たちによる統一戦で、少しでも中谷を掘り下げる展開が見られることを期待したい。
井上尚弥が返上した4団体が再び統一される戦いには、やはり激闘や味わい深さを感じる試合になってほしいと感じるので、中谷潤人が簡単に蹂躙してしまうような展開を防ぐためにも他の王者たちには頑張ってもらいたいと思っている。