
新たなMMA団体「GFL」の印象
新たなに立ち上げられたMMA団体「Global Fight League」は、6つの都市の代表チームが対抗戦を行い、優勝を争っていくトーナメント形式のリーグとなる。
各チームがドラフトで代表選手を選出し、チームを組んで対抗戦を行なっていくことになるので、PFLのようにリーグスポーツの要素が多く取り込まれた団体になっていると感じる。
各都市を代表するチームで対抗戦を行うというシステムは面白いと感じるが、そこに所属する選手に目を向けると、これから盛り上がっていくことが出来るのかどうか怪しく感じてしまう。
現段階のGFLは溢れた選手の受け皿となっている部分があり、Bellatorで活躍していた選手などを迎え入れているのと同時に、一線で戦うことが出来なくなった選手が復帰するための場所にもなっているように見える。
特に元UFC選手たちにその傾向が強く感じられ、ファイターとしてのピークを過ぎた選手たちの名が連なっており、長い間UFCで戦い続けて来たトニー・ファーガソンもその中に含まれることになった。
パトリッキーやムサエフといった現役バリバリの選手たちがいる一方で、強度の高い試合に耐えられない選手たちも多く所属しており、そういったアンバランスな選手層が構成される中で、それぞれにチームを組んでトーナメント戦を行っていくというのが果たして面白いものになるのかどうか。
これだけハイレベルな選手たちがチームを組んで戦うのか、というワクワク感や期待感といったものも特になく、「代表チーム」という看板に釣り合うだけの説得力も感じられない今の状態では盛り上がる可能性は低いのではないかと思われる。
見方によっては一種のOB会のような内容になってしまっており、もしかしたらそういった感触を払拭したいという思いが、「シェイドゥラエフとの契約」といった誤情報を発信してしまうような状態に至らせたのかもしれない。
業界での「GFL」の立ち位置はどうなるのか?
GFLは「再雇用の場」として業界内での立ち位置を確保していくことになるのか、それともこれからの選手を確保して勢いのある団体として頭角を表していくことになるのか。
現状では前者となる可能性が高いのではないかと思われる。
UFCやPFLといった様々な格闘技団体で活躍している現役の選手も、いつかは衰えていくことになるが、そこで満足して辞められるだけの結果を残すことが出来る選手はほんの一握りであり、まだ戦うつもりではいるがレベルについていくことが出来なくなってしまった結果、団体からリリースされてしまう選手が多く存在している。
そういった活躍の場を追われた選手が集う場所として「GFL」が有効活用されるようになってくるのかもしれない。
なのでもしかすると選手生命の短いファイターにとってはとてもニーズのある団体になってくるのかもしれない。
観戦する側にとって面白い団体になるかどうかは怪しいところだが、それも蓋を開けてみなければ分からないので、実際にGFLがどのような内容を示していくのか、その点に注目を向けていきたい。