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[UFC]今大会で感じた3つのこと(感想)③
③ヴィニシウス・オリベイラが見せたガッツ
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バンタム級の強豪同士がぶつかり合ったこの一戦は、消耗戦を制したオリベイラに軍配が上がった。
お互いに苦しさを滲ませる戦いとなっていたが、最後まで強度を落とさなかったオリベイラのガッツがとにかく凄かった。
対戦相手のサイード・ヌルマゴメドフは元ランカーの実力者であり、劣勢から一本で逆転することも出来る極めの強さを併せ持つ危険なファイターである。
1R目オリベイラはヌルマゴメドフの長い攻撃に苦戦し、距離を詰めることも打撃で捉えることも中々出来なままヌルマゴメドフに翻弄されるラウンドとなった。
しかしオリベイラは2Rでアグレッシブなオフェンスを展開し、打撃の攻防・スクランブルなどハイペースな戦いへと持ち込むことでヌルマゴメドフを消耗戦へと引き摺り込んでいった。
流れとしてはオリベイラが巻き返した形になっていたが、このラウンドの中でオリベイラは試合前から痛めていたという脇腹を抑えて顔を歪める場面があり、負傷によるコンディション不良を伺わせていた。
実際に負傷していたという事実を試合後のマイクで明らかにしている。
そんな状態で3R目に臨んでいったオリベイラだが、彼はペースを落とすことなく開始から果敢なオフェンスを展開していった。
脇腹の痛みが呼吸に影響を及ぼす中、攻撃をもらうリスクを抱えながらも2R以上の勢いでガス欠気味のヌルマゴメドフへと襲い掛かり、主導権と勝利を奪いにいく姿勢を見せていた。
この時のオリベイラが見せたガッツは凄まじいものがあった。
苦しい状況下でさらに苦しいことをやってのける選手は強敵との競り合いを制することが出来る強さを持っていると言える。
ウマル・ヌルマゴメドフという危険な相手をスタミナ勝負で下したメラブ・ドバリシビリのように、オリベイラは一番キツイところでヌルマゴメドフと差をつける頑張りと強さを見せた。
このカードは、技術的な能力に加えてこれだけのガッツを見せることができる気持ち的な強さも併せ持っているオリベイラの「ファイター魂」に脱帽する一戦になっていたと感じている。
これでオリベイラはUFCデビューから負けなしの3連勝を記録したので、次戦辺りでランカーとの試合が組まれることになるかもしれない。
今回の試合のパフォーマンスを見るとまだまだ上を目指せる可能性を感じるので、今後の活躍にも注目していきたい選手の一人となっている。