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#17 「感情の木」参加型ホスピタルアートをやってみました!~つくって、みて、感じるアート~
「病院に行くと緊張してしまう・・・」
「病院の白い壁や廊下で、なんだか苦手・・・」
病院を受診する時、そんな気持ちになったことが、誰でも一度はあるのでないでしょうか?
総合診療医として病院に勤務している私自身、「病院の無機質な雰囲気はあまり好きではないな」と感じていました。そんな病院の雰囲気を花びらシールで彩る活動として、今回は「感情の木」という参加型ホスピタルアート活動についてご紹介します。
感情の木とは?~導入の経緯と概要~
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英国や北欧ではマスキングテープで病院の壁を彩り、気軽にアートを創る活動が行われています。壁画やオブジェのような大がかりなプロジェクトでなくでも、ちょっと明るい絵が飾ってあるだけでも、場の空気がやわらぎますよね。何か自分にもできるアートはないか?と考えるようになりました。
その矢先、津田塾大学のホスピタルアート・コーディネート団体MARU(マル)の皆さんが、学会会場で参加者を対象として「感情の木」アートを行っているところを見て、「これだ!!」と思い、すぐにMARUの代表の方に連絡をとり、2022年夏より今回の活動が始まりました。
感染対策で人々の交流が少なくなる中、この「感情の木」という参加型ホスピタルアートは、患者さん、医療従者の双方に癒やしの効果があるのではないか?と思い、ぜひ導入したいと思いました。
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「感情の木」という作品は、アーティストの方が描いた幹の絵に、患者さん、病院スタッフが花びらのシールを貼って完成する作品です。自分の気持ちを花びらの色で表現することで、ヒーリング効果が期待できます。
今回は、MARUさんのご協力で、女優としても活躍されている倉中るなさんに幹をかいていただきました。
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実際の様子~患者さんからの反響~
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実際には、リハビリの一環として病棟で小さく開始した活動でしたが、多くの患者さん、職員が参加し、500枚以上あった花びらシールがなくなり、素晴らしい作品ができあがりました(下記写真)。参加した患者さんやスタッフからは、「とても楽しかった」、「患者様や職員も心が癒やされて穏やかになった」、「貼りながら、会話も弾んだ」という声があり、コミュニケーションのきっかけにもなっていた様子でした。
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外来に立ち寄った患者さんからも、「待っている時間、絵を見ることで気持ちがやわらいだ」とおっしゃってくださいました。
笠間市立病院に来院された際には、作品にふれあうことで少しでも癒やしを感じてもらえれば幸いです♪
参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
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