銀行交渉を有利にする借入基本方針
先日、Y銀行の方から電話があり、「御社が申し込まれていた融資が行内承認おりました。」とのこと。この銀行とはこれが初めての融資取引になる。やれやれ、やっとここまできた。今、当社は資金需要は特に無いのだが、この銀行と取引がしたかった。
何も考えずに、その場その場で借入、返済を繰り返した結果・・
当社の借入残高が高い順に取引銀行を並べると・・・
T銀行(第二地銀)
K銀行(第一地銀)
K信金(信用金庫)
M銀行(都市銀行)
となっている。(説明上、政府系の金融機関は省略している)
これはあまり良くない状態。これまでの財務担当者が、何も考えずに、その場その場で貸してくれる銀行と取引をし、順次返済していた。
■良くない状態 ポイントは主に2つ
(1)都銀との取引が薄い
M銀行からの新規借入はここ5年以上なく、返済により借入残高は減る一方。他の都市銀行からの借入はかつてあったが、完済してしまい、その後取引が途絶えていた。
(2)銀行バランスが悪い
第二地銀が最も借入残高が多く、次いで第一地銀が多い。
都市銀行が最も少ない。
借入残高が「都銀>第一地銀>第二地銀>信金」になるようにバランスとる
■今後の借入方針
都銀を中心に据えて、銀行バランスをとる
(1)都市銀行を筆頭に、次いで第一地銀、第二地銀の順に借入金が多くなるようにする。新たな借入する時は主に都市銀行から。都市銀行からよい返答が得られない時は第一地銀から借りる。
(2)都市銀行に匹敵するだけの大きい第一地銀と取引を開始する。
銀行は前例主義。前例がなければ自分より格上の銀行がやったことに倣う
■借入方針で都銀を中心に据える理由
(1)都市銀行は(一般的に)地銀に比べて金利が安い
(2)地銀の融資が下りやすくなる、金利が安くなる
※第二地銀は第一地銀の後を追う。第一地銀は都市銀行の後を追う。
「〇〇銀行(都市銀行名)さんはこれだけやってくれたのですが」というコメントは、第一地銀の担当者(銀行員)に効く。それはそのまま銀行内で伝わり、担当者の向こうにいる審査部に効く。その結果、融資が下りやすくなる、金利が安くなる。
今回は、第一地銀の中でも最も大きい銀行の一つY銀行から初融資を引き出せた。それは上記「都銀>第一地銀>第二地銀」となるようにする方針の一環だった。
初取引は、ハードルが高い。一度取引実績が作れて、返済をきちんと行えば、二回目の借入ハードルは低くなる。
かつて取引があったのに、借入を完済してしまい、その後借入が無かった(取引が途絶えてしまった)都市銀行に交渉しにいったが、あまり反応が悪かった。取引が途絶えて数年経ってしまったので、初回取引と同じ扱いになってしまった。ハードルが高くなっている。
だから、都市銀行に匹敵するだけの第一地銀の雄であるY銀行と取引開始したかった。無事取引開始できそうでよかった。
やれやれ。まだ改善は続く。