日本にいるなら歯医者に行けという話
確か銀歯が取れたという理由で、20代前半ごろに一人で歯医者に行った。
その歯医者さんがとても熱心で、「治療の後は3か月に一回、歯の検診に来てください」と強く言われた。私は素直に従って検診に行った。
それから15年ほどたつが、現在もちゃんと3か月に一回歯医者に通っている。
それはなぜか。楽しいから。
歯医者嫌いの人が多いと思う。実際私の家族は母をはじめ大半が歯医者嫌いだった。
そのためか、母はあまり娘たちの口腔ケアに関心がなく、積極的に検診に連れて行ってくれたことはなかった。
というわけで私も姉妹もみんな銀歯持ち。
話を戻すが、歯医者に行くのは楽しい。私にとっては3か月に一度のお楽しみだ。
美容院に行くより歯医者に行く頻度のほうがはるかに多い。
自分では取り切れない汚れを取ってくれ、終わったころにはツルツルの歯が手に入る。
家に帰ってからきれいになった歯を見つめるのが検診後のルーティン。
もはや美容目的である。
さらに今通っている歯科医院では、歯科衛生士さんも歯医者さんもみんな私の歯の状態を毎回すごく褒めてくれる。
自己肯定感まで上げてくれるのだ。
「しっかり磨けていますね。ほとんど歯石がなくてきれいな状態です。この状態をキープしていきましょう!」
「褒められたい」ので、歯石が残ってしまっていたところがあれば、次回はそこに歯石がつかぬよう入念に磨く。
15年前、フロスを使って歯と歯の間までしっかり汚れを取ること。それを教えてくれた歯科衛生士さんには心から感謝したいと思っている。
それ以来一度もフロスを通さずに寝たことはない。
もはや通さずには寝られない!(笑)
とにかく自分でも比較的口腔ケアへの意識は高い方だと自負している。
こうなってくると、身近な人にも布教したくなるのが至極当然である。
まずこの布教活動にしっかりハマってくれたのが父である。
影響を受けやすい父は私の口腔ケアへの熱意をしっかり受け止めてくれ、すぐに歯医者に行ってくれた。
長年歯医者になんぞ行く必要はない、というスタンスだった父。案の定口腔内の状態は最悪レベル。
先生のおかげで事なきを得たが、とりあえず2本インプラントになりました。(笑)
とにかくそれ以来父も3か月に一回しっかりと検診に通ってくれている。
父に会うと必ず「歯医者行ってる?」とあいさつ代わりに聞くのが恒例になったぐらいだ。
すでに後期高齢者の父。死ぬまで歯を大事にしてくれよ、と思う娘なのである。
次のターゲットは旦那である。前の記事でも出てきたが、旦那はフィリピン人だ。
大体予想はつくと思うが、フィリピンでは日本のように学校で定期的に歯科検診があるわけでもなく、自分で検診に行くという習慣もあまりない。(経済状況にもよると思うが)
旦那も来日以来ずっと行ってないよな・・・。そもそも歯医者に行ったことがあるのか?と疑問に思い質問してみると、
「一応ある。大学の時。なんか痛いなあと思って。で、歯を抜いてもらった」
一番いかんやつーーーーーーーー!
そうなのだ。すぐに抜いてしまうのだ・・・。
フィリピンで働いていた時、同僚で上の歯が数本ない人がいた。彼はまだ20代・・・。
抜かれてしまったということだ・・・。切ない・・・。
旦那は幸いにも下の奥歯の方なので、見えはしないが抜かれて以来右側だけで噛んでいると言っていた。
それもよくないよね~。
というわけで私は数年前から旦那に「歯医者に行け」としつこく言っていた。
しかし「嫌だ」と言う。
「なぜだ」と問う。
「理由はない」と答える。
たぶん怖いんでしょうね。
こんなやりとりがありつつも、2019年に来日した旦那、2024年になるまで歯医者に行かなかった。
そう、2024年までは。
なんとつい数か月前、満を持して旦那は日本の歯医者デビューを果たしたのである!!
そのきっかけは・・・・
全然思い出せないのだ!!!!(笑)
この記事を書くにあたって、「何で歯医者に行ったんだっけ?」と聞いてみたけれど、本人も覚えておらず・・・。
とにかくわからんけど、ついに彼は行ったのである!
しかし行くことにしたと聞いた時、心の中で狂喜乱舞したことはしっかり覚えている。
そして「治療中は鼻で息をしていれば楽だから。あまり力を入れずにリラックスしてね」と先輩風を吹かせてアドバイスしたのは言うまでもない。
その後の彼である。生まれ変わったかのようにこちら側の人間になったのである。
つまり歯医者のファン、歯医者に行くのが楽しみな人間に生まれ変わったのである!!
初めての日本の歯医者から帰宅した彼。私はすぐに「どうだった?大丈夫?痛かった?」と一応心配する。
「いや、全然大丈夫。なんかすっきりして初めての感覚。もっと早くいけばよかった」
「もっと早くいけばよかった」だと・・・?
それ見たことかとドヤ顔の私。そこから歯科検診愛を語り始めたのは言うまでもない。
しかし長年歯医者に行っていなかった割に、旦那の歯の状態はそんなに悪くなかったそうで、先生も驚いていたのだとか。
自己流の磨き方がうまかったのか、歯が元々強かったのか・・・。運のいい男だわ。
というわけで旦那もちゃんと検診に行くようになったのである。「歯医者行くの楽しみ」と言っている。素晴らしいことである・・・!(ちなみに父も「歯医者に行くの楽しみになった」と言っています)
先ほどフィリピンでは日本のように学校での歯科検診がないことを書いたが、残念なことにフィリピンにいる甥っ子たちはみんな歯が真っ黒で素人が見ても「虫歯だらけだなあ・・・」とわかるレベル。
かわいい甥っ子たちを歯医者に連れて行ってほしい。ていうか私が連れて行きたい!と思うのだが、今のところ叶わず。
だから旦那には言うのだ。日本は気軽に歯医者に行けるし、検診はそんなに高くないし、歯医者さんのレベルも高いんだから積極的に行きなさいと。
そしてこれが当たり前の日本人の皆さんにも声を大にして言いたい。歯をきれいに保つと気持ちがいいし、虫歯がないことを定期的に確認してもらうことで安心感も得られるし、なんといっても健康維持につながる。
とにかく歯医者行こ!(笑)
そして私の次なるターゲットは母と、姉である。頑固で一筋縄ではいかぬ二人。
この記事を読んだら行く気になってくれるかなあ・・・。