独身叔父と同居介護⑰叔父と恵方巻き

○叔父と恵方巻き

今年は何故か2月2日（日）が節分でした。
新聞にはスーパーの広告がたくさん入っていました。

イベント大好きな叔父。恵方巻きが食べたくて食べたくて仕方ありません。たくさんの広告をみて、それから自分が食べたいものを選んで持ってきました。
「わし、この大トロの恵方巻きに決めた」
と、手に持っていた広告。なかなか価格帯高めのスーパーのものでした。仕方なく実母と買い出しに出かけました。

スーパーでは、恵方巻きを買い求めるお客さんで溢れかえっていました。種類も山ほどあり、叔父の欲しい恵方巻きが見つけられず苦戦しました。頭の中は大トロの恵方巻き一択です。やっとカゴに入れてホッとした私。あ！夫や子の欲しい恵方巻きを聞くのを忘れた！叔父にばっかり気を取られ、すっかり忘れていました。仕方なく2人が好きそうな恵方巻きを選びました。実母も無事に買え、疲労困憊で帰宅です。

叔父は大喜びで恵方巻きを手にしました。

夕方、叔父が自室から出て来て
「西南西ってどっち？」
と聞いてきました。面倒くさかった私は
「あっちのほうじゃない？（適当）」
と、指をさしました。
「ちゃんと正しい方向が知りたい。コンパス持ってないん？」
でた！謎のこだわり！
仕方ないのでアプリのコンパスで西南西を探すことに。でも、きっちりとした西南西は表示されず。私からスマホを奪い、自分でも格闘していた叔父でしたが、諦めて、おそらく西南西だろう方角を向いて恵方巻きにかぶりついていました。
「美味しいわー」
って、黙って食べなきゃいけないんじゃなかった？

夫と子に適当に買った恵方巻き、2人の好みだったらしく、喜んでいたので良かったとします。
毎年ヘトヘトになります。

⑱に続きます。