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読書する私 9/10 『ギフト』

眩しいなぁ、、、

Chapters書店さんの9月の選書テーマは
『○○しながら読書』

私が選んだ
お風呂に入りながら。
で届いたのは

原田マハさんの『ギフト』

冒頭のつぶやきは、心温まる短編が詰まった本書を読んでいて、常に感じていた思い。

主に20代〜30代の女性を主人公とした本書は、性別も違えば、年代も違う私にとって、共感の書というよりは、その世代を感じ取る教養の書に近い。

若さ溢れる彼女たちの日常は、中年の域にかかったオッサンにはとにかく眩しい。
職場にも同じ世代の男女は多いが、これが彼女たちの悩みも含めた日常なのだろうと思う。

世代の壁というものを越えて、同じ目線でありたいと常々思ってはいるが、それもどこか傲慢な思いだったのだろうなと反省する。

彼女たちの父親や上司がたまに登場してくるが、彼らの目線を通して終始、彼女たちを眺めていた。

言い替えれば、私は一度も主人公と同じ目線には立てなかったのである。
こういう読書体験は稀であり、とても新鮮だった。

同時に、自身の年齢というものを改めて思い知らされる。
恋愛、そして結婚というものに絡んだ話が圧倒的に多いが、もうそういうものから縁遠い立場にいること、そして、そうした悩みを抱える彼女たちをどこか微笑ましく見つめている自分に「老い」というものを感じる。

そして、私自身、生まれて初めて、この本を読んで子供が欲しい、と思った。
成人した自身の子供と、言葉を交わすことに、たまらない憧憬を抱いた。

それは「無償の愛」というものへの憧憬なのかもしれない。
本書収録の
『そのひとひらを』
『ささやなか光』
そして
『ながれぼし』
で描かれる父と娘、そして母と娘とのやり取りはとてつもなく美しく、そして温かい。

我が家が子供を迎えることはきっとない。
けれど、まだ健在の私の両親に、私が求めているものを捧げることはきっと出来る。

時間が誰にでも平等に与えられるものである以上、子の私が、親を追い越すことはない。

あなたたちの子は、拗らせながらも、こうしてしぶとく生きています。

こんな私の姿を見せて、喜んでくれるであろう両親が健在であることを喜びたい。

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