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ごすがたり。『Dressed up to the Nines』編

こんにちは、伍月鹿です
黒沢さんと酒井さんがインタビュー応えられていたデイリー新潮さんの記事が良すぎました。相性がいいありがとうございます
30周年、色んなところで取り上げられていて嬉しいです

本日もゴスペラーズ30周年記念企画、ゴスペラーズの名盤を好きに語る連続更新、第二弾です
本日は『Dressed up to the Nines』です

『Dressed up to the Nines』

2005年発売9枚目のアルバムです。ゴスマニに人気の高い一枚というイメージがあります

発売時に応援店で購入した際は、酒井さん手書きのジャケットイラストが描かれたショッパーがもらえました。玉光堂系列以外ではどこで配布されていたのか不明ですが、持っているかたは全然いないと思う。一生の宝物です

酒井さん手書きのジャケット画

略称は当時は「D9」(ショッパー参照)でしたが、いつのまにか「ドレナイ」と呼ばれるようになってました。わたしは昔の習慣でD9と呼びがち
タイトルは安岡さんが本屋で辞書を立ち読みしていて見つけてきたもの、というエピソードが有名です。9ヤードの反物で衣装を作って着飾ることが由来するんですって。おしゃれ

CDは実家にあるので手元にありません……でも擦り切れるまで聞いた名盤の一つです

このころのCDってレーベルゲートCDといって、パソコンに取り込むことができないようになっていたんですよね。だからプレイヤーで聞くしかなかったというのもあって、アルバム全体で聞くことが多かったかもしれません
MDもまだ使っていたし、周りは皆ipodを持っていた時期ですね。わたしはソニーのウォークマン派でした。メモリースティックみたいな形のやつ持ってました。キャップ部分をくるくる回して曲を選べるやつ
そうやって録音して聞く、という形が主流になりつつあって、レーベルが規制しはじめて、と、音楽界も変化しつつあった時期のアルバムともいえるのかもしれません

◇収録曲

1 Right on, Babe 

シングル曲
この突き抜ける夏感いいですよねえ
ゴスサウンド全開のキラキラ感と、ボーカルの伸びやかさとコーラスの心地よさ、全部詰まっていて名曲すぎる
夏ゴスに外れはない。パブリックイメージ的にあまりこういう曲は知られていないと思うんですが、夏ゴスこそお茶の間に受けそうな曲がいっぱいあるので、もっと宣伝してもいいのよ、と思っています
逆にいまのJPOPチューンぽさもありますよね。時代を先取りしすぎていたのかしら

「二十歳の頃聞いた歌を空へ逃がしながらアクセルを」という酒井さんパートが大好きで、まだ学生だったわたしは自分は二十歳の頃にどんな歌を聞いているのかしらと夢想したものです。二十歳の頃もゴスペラーズ聞いてました

2 You are my girl 

この曲大好きなんですよ……
始まりから好き。「朝が来る訳を教えてくれた人」ですよ。そんなん昨晩はお楽しみでしたねでしかないじゃないですか。キャー。

酒井さんがちょっと低めというか、当時の雑誌の北山さんの発言が印象深いのですが「声を汚す」フェーズに入っている頃なんですよね。それまでの若さで出していた透明感のある声から、また違う声の出し方や魅せ方を増やしていた時期。第一弾で少し触れた「酒井雄二ブレイクの年」を経て、色気が倍増した歌声がこの曲で堪能できます
わたしはずっと酒井さんの声を「平筆で描いた音」と言っていた。イメージはその頃から緑でした
そのスッとまっすぐに描いて少し後半掠れるところが何においても好きだった。それを「エロい」とか「色っぽい」と表現できるようになったのはかなり後のことですが、当時の自分の抱いていた感想が結構的を得ているな、といまでも思います。やるな伍月少女

3 Reflections

この曲も大好きなんですよ……
金管がいい。とにかくSOYSOULの金管がゴージャスでいい。金管が入ると一気に高級感が増すのがいい
ゴスペラーズの曲で最も安定しているリーダーと黒ぽんの年長リードに勝てるものはない。そこに色気倍増酒井さんが加わると贅沢空間でしかない

のちの『ギリギリSHOUT』の村上・酒井リード曲もそうですけど、スタイルいい二人が双璧を担って畳みかけてくる曲はかっこよすぎるのよ

4 Real tight 

この曲も、だいっすきなんですよ……
バンドサウンドが超かっこいい。ゴスペラーズバントは本当ソウルフルでかっこいい
そんな最強にメロウなバンドの音に負けないリードの鳴り方がかっこよすぎる。「代償なんかないィ」「抱いていたいだけィ」の余韻の残し方天才すぎる

ここまで4曲、酒井雄二大活躍の流れ。耳が幸せすぎます。なんやかんやで箱推し大前提ではありますけど、推しの歌声に心底惚れてしまっている身としては、推しが先頭切って輝いてくれるとやっぱり嬉しい
別にリードじゃなくても「コーラスかあ」とがっかりすることがないのがゴスペラーズのいいところですが、フィーチャーされればされるほど嬉しいのはまた別の話
酒井雄二ブレイクの年の話はのちにさせていただきますが、その年を経てアダルトな曲→酒井の図式が完璧に完成したのは最高。みんな大好き『The Ruler』とか『Get me on』とかは酒井さんの声だから映えるんですよ

5 Sweet 

ここまでノンストップで濃いナンバーなのがこのアルバム最大の特徴。カロリー高くて最高。曲順が最高すぎる
「このまま」の雪崩るようなコーラスがかっけえですよね
サビがないような構成の曲。妹尾さんのピアノが泣きまくっているのが本当、素直にかっこいい
こういう曲をライブで披露しているときのぴりっとした緊張感と没入感すごく好きです

黒沢さんの作るバラードなのに激しい曲いいですよね
いろいろなことでメンバーからそれぞれ影響は受けていますが、長くラジオのメインパーソナリティーやっていたこともあり、音楽面では黒沢さんに一番刺激をもらっているかもしれません。だから素直に曲が好きだなあ、かっこいいなあとなるのは黒ぽんの曲が多くなります

6 アンジュナ

カレー屋さんの曲
スパイシーな黒ぽん、色っぽい酒井さん、情熱的なてっちゃん、という三人の声の完成度が曲とぴたりとハマっている感
そこに年少のコーラスが添えられているのが、ゴスペラーズ聞いたという満足感を高めています
黒ぽんの純粋な高音がいまとなっては少し懐かしい。これをすっとだしていた喉の強さやべえ。もちろんいまの方が聞いていて満足感があるのもすごい

黒沢さんは何かでどんどんメンバーが成長していくのを感じて焦りを覚えたみたいなことを語っていて、びっくりした覚えがあります
歌ではこんなにメインを張れるし、年長なのに、先輩風を吹かさない人。メンバーと一緒ににこにこしているのを見ていると本当魅力的な人だなと思います

7 エンドロール

年少コンビのキラキラ曲です
こういう歌謡曲のような雰囲気を歌わせたら村上てつやほどメロウになる人はいない。村上リーダーは昭和の歌手感ある。本気で歌がうまい
北山さんの線が細いのに力強い歌声も不思議。こういう稀有な歌い方ができる人を偶然見つけてメンバーとしてひっぱってくる村上リーダーの見る目(耳?)ありすぎでしょう

8 新大阪 

シングル曲
リリース当時、小樽にラジオの公開録音しにきてくれたリーダーが、メンバーのコーラス音源でカラオケを披露するというレアな聞き方をしました。すごい大汗かいてました
冬だったのですが、猛吹雪で帰れないかと思ったのを覚えています。地元でよかった。グラシアス社長が雨男として有名ですね

遠距離恋愛の曲で、最後に「あなたの傍に行くよ」で物語を回収するのがてっちゃんっぽい。『MIDNITE SUN』で「好きだったよ」で落とすのと同じやつ

9 シアトリカル

酒井雄二天才曲の原点ともいえる曲ですね
これよりも前から酒井さんの世界観がふんだんに活かされた曲は存在しましたが、D9以降、アルバムに必ず一曲は採用されるようになったイメージがあります
知恵熱を出しながら作ったというだけあって、不思議で引き込まれる曲。当時はちょっと面白い曲、ネタ枠みたいな扱いこそ受けていましたが、その後どんどん才能を開花していって『123for5』で爆発する系譜を感じます

なんかのタイミングで聞いていた時、曲に込められたいろんな意味に急に気づいて泣いたことがあります。人生に行き詰っていたときだったと思います。リリース当時は子供だったので、大人になってから意味がわかる曲はたくさんあります

パフォーマンスにはそんなにピンと来ていませんでしたが(当時はそんなに踊っていなかったので)、いまやるとめっちゃかっこよくなると思う。ライブで聞けるの心待ちにしています

10 Yes, No, Yes... 

『新大阪』で語ったてっちゃんがラジオの公開録音しにきた際に「次は5人で来ます」と約束してくれ、その後、本当に5人で来てくれた無料ライブでも聞けた曲

ガラス張りで、外も明るく、のどかな港風景が見えるステージで、この曲を歌い切った安岡さんをわたしは一生忘れない

そのあと照れたように後ろに引っ込んでいたのも印象的
いま思えば、マニじゃない人も大勢来ていたライブでいくら新譜に入っているとはいえ、この曲をやるのすごいですよね。そういう意味でもギラギラしていた当時のゴスはわたしの中でずっと輝いています

マニの通称「ヤス、ノー、ヤス
ユタカさんオンステージ。ステージ上の安岡さんは本当にキラキラしていて、皆ユタカさんの女にされてしまう。なのにほとんどの曲でむちゃくちゃマニアックなコーラスを務めている縁の下の力持ちなのがすごい

聞いたまんまえっちな曲です
こういう曲をふしだらけでいけません、と当時小学生だったわたしにも遠ざけることなく聞かせてくれた親に以下略

11 コーリング 

ギターのフレーズが印象的
この曲と『東京スヰート』はわたしの中でシリーズな気がしてます。なぜか。なぜだろう?
混ざり気なしの純粋なラブソング

『シアトリカル』『Yes, No, Yes...』『コーリング』の温度感も歌っていることも曲調も違う3曲が並んでいるのに、あまり違和感がないのがゴスのすごいところ
スノがよくいろいろな曲を歌えるのが自分たちの強みであることを語っていますが、いろいろな曲を歌えるアーティストに慣れすぎていたわたしは言われるまであんまり特別なことと思っていませんでした
こういうことがあると「ゴスはアイドル」とかいうIQ3のことを言いたくなるからファンは勝手。すいません

12 街角 -on the corner‐

シングル曲
当時、歌番組で「難しい」と言いまくってましたし、北山さんが高音絞り出している印象ありました
しかし、その数年後のソウルパワーサミットで披露されたときにスッと歌いきっていたのを聞いて感動しました
最近また歌うようになってくれて嬉しい
CMで流れまくっていたので、サビの耳馴染みが段違いの曲ですよね
街角のときの衣装好きだったな。マフラー巻いてるのに首元えっちな酒井さんけしからん。大好き
夏の曲は冬につくり、冬の曲は夏につくる苦労は存じ上げてますが、もこもこしてる5人が好きだからもっとコート着ていいのよ

リアタイで発売を迎えたアルバムだと、当時の思い出の話が多くなってしまいます。わたしが語れるエピソード的には一番多い一枚かもしれません。自慢も含みます(笑)

明日もよろしくお願いいたします

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伍月鹿
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