街歩き #013 | 神奈川県横浜市中区の旅
神奈川県横浜市中区
こんにちは。本日ご紹介する街は「神奈川県横浜市中区」です。今回は新港埠頭地区から山下公園まで。
開発著しい新港埠頭近辺。横浜ハンマーヘッドはなかなか面白い複合施設です。休館中だったにも関わらずイベント開催により多くの人で賑わう横浜赤レンガ倉庫。山下公園につながるぶら歩きが楽しいエリアです。
神奈川県立歴史博物館での ” 特別展 永福寺と鎌倉御家人 "・日本郵船の歴史を紹介する日本郵船歴史博物館・クレーンが名前の由来の横浜ハンマーヘッド・ペリー提督上陸の場所に整備された象の鼻パーク・大河ドラマ"いだてん"の場面を思い出す氷川丸など…。
今回は「神奈川県横浜市中区」を歩きます。
神奈川県立歴史博物館
関内駅から徒歩10分。神奈川県歴史博物館は馬車道をまっすぐ進んだ場所にあります。
1995年開館。67年から神奈川県立博物館として利用されていましたが、歴史博物館として再整備されました。建物は国史跡・国重文である旧横浜正金銀行本店本館を利用。神奈川県の文化・歴史を充分に理解できるお薦めの博物館です。
この日は10月15日から12月4日まで開催された ” 特別展 永福寺と鎌倉御家人 " を観賞するために訪問。時間の関係で常設展は立ち寄らず、今回は特別展のみ鑑賞しました。
< 特別展 永福寺と鎌倉御家人 >
昨年10月15日から12月4日まで開催された特別展。
国史跡・永福寺跡は鎌倉二階堂にあります。1192年源頼朝は奥州征伐で見た浄土文化を再現するために永福寺を建立。鶴岡八幡宮・勝長寿院と並んで当時の鎌倉の三大寺社の一つとして栄えたと伝わります。鎌倉幕府滅亡後、永福寺は室町時代の火災で焼失。再建されることなく廃絶してしまったものと考えられています。
1966年国指定史跡に。鎌倉市は少しずつ土地買収を進め、83年から96年にかけて大規模な発掘調査を実施。結果、3つの堂宇と池を備える大寺院であったことが確認されました。史跡としての公有地化・環境整備工事が進められ、2017年から復元後の跡地が一般公開されるようになりました。
特別展では跡地からの出土品や関連史料を展示。見どころは国宝の当麻曼荼羅縁起(光明寺)と国重文の弁財天坐像(鶴岡八幡宮)。他にも軒瓦等の発掘資料や関連する同時代の文化財が展示されていました。
日本郵船歴史博物館
神奈川県立歴史博物館から徒歩5分。海岸通り沿いに日本郵船歴史博物館があります。
常設展示では日本郵船の歴史を紹介。岩崎彌太郎により設立された三菱は渋沢栄一の共同運輸との熾烈な競争を繰り広げます。1885年の彌太郎没後に両社が合併し日本郵船会社が誕生。このあたりの経緯は "青天を衝け" でも描かれましたね。
赤い二引の社旗が日本郵船のトレードマーク。2本の赤い線は合併した両社を象徴しています。
開催されていた企画展 ”船と主機関” はかなり玄人好みの内容。私のようなこの分野の素人が見ても正直ちんぷんかんぷんでした。好きな人は好きなんだろうな。
運河パーク
日本郵船歴史博物館から徒歩5分。ワールドポーターズ前の運河沿いに広がる公園が運河パークです。
みなとみらいらしい風景が広がっていますね。汽車道とロープウェイが近未来感ある風景を作り出しています。今は運河パークが一番みなとみらいっぽい場所だと思います。
2021年開業の横浜エアキャビン。桜木町駅と運河パーク駅を約5分で結んでいます。観光要素の高い乗り物なので、移動手段として頻繁に乗るものではありませんが、一度は乗ってみたいなと思います。
横浜ハンマーヘッド
運河パークから海方向に徒歩5分。新港埠頭にある複合施設が横浜ハンマーヘッドです。
2019年開業。1914年竣工の新港埠頭にあります。国内初の港湾荷役専用クレーンとして設置された "ハンマーヘッドクレーン" は、2001年まで現役で使用されていました。2019年開業の複合施設(客船ターミナル・商業施設・ホテル)の施設名として "ハンマーヘッド" が使われています。
入口には "新港ふ頭客船ターミナル" と書かれていますね。商業施設・ホテル・客船ターミナルを兼ね備えているのは日本で横浜ハンマーヘッドだけだそうです。
横浜ハンマーヘッドの一番奥にあるのが、横浜湾が一望できるハンマーヘッドパーク。見えている大きなクレーンが "ハンマーヘッドクレーン" です。
横浜ハンマーヘッドの名前の由来となったハンマーヘッドクレーンは、1914年に日本初の港湾荷役専用のクレーンとして設置。2001年に88年間の任務を全うし、現役を引退。2018年に土木遺産にも登録されたみなと横浜の象徴の一つです。
商業施設に入っているテナントは横浜・神奈川らしいラインナップ。こだわりが感じられていいですね。まずはありあけハーバースタジオ。焼き立てのハーバーを食べることができます。
そして、鎌倉紅谷クルミっ子ファクトリー。銘菓・クルミっ子を製造する工程が公開されていて外から見ることができます。結構ハンドメイドなんですね。
さらに、水信ブルック&ファクトリー。横浜の老舗フルーツ店・横浜水信のお店です。店舗デザインがおしゃれですね。
他にも、ハングリータイガーがテナントに入っています。横浜市民なら知名度抜群のステーキ&ハンバーグレストランですね。
横浜赤レンガ倉庫
横浜ハンマーヘッドから徒歩5分。ご存じ横浜の名所・横浜赤レンガ倉庫です。
1911年・1913年竣工。国の保税倉庫として建設。89年倉庫としての役割終了。2002年文化・商業施設"横浜赤レンガ倉庫"としてリニューアルオープン。
訪問日は大規模改修工事で休館中でした(12月6日よりリニューアルオープンしたそうです)。倉庫の中には各種商業テナントが入っています。
休館中にも関わらず、赤レンガ倉庫周辺では様々なイベントが開催されていて広場は大賑わい。
横浜港全体で開催されていたフリートウィークのイベント。赤レンガ倉庫裏では米海軍の軍楽隊コンサート開催中。
全国ふるさとフェアも同時に開催。福井県産いちほまれのキャラクターがゆるく踊っていましたよ。
高崎といえば高崎だるま。巨大だるまも展示されてますね。
館内休館中でも魅力的なイベントが随時開催されている赤レンガ倉庫。いつも賑わいのある場所ですね。
象の鼻パーク
横浜赤レンガ倉庫から歩いて5分。象の鼻の形をした波止場が見える公園が象の鼻パークです。
1859年東波止場と西波止場が建築され横浜港開港。67年東波止場を弓なりに湾曲した形に築造。その形から通称・象の鼻と呼ばれました。2009年開港150周年記念で象の鼻を復元し公園として開園。
黒船のペリー提督が横浜に上陸した場所です。開港後に最初の波止場が建設されました。
公園内にあるカフェ併設のアートスペースである象の鼻テラス。ここはいつも賑わっていますね。
2008年の公園整備の際に倉庫跡地の地中から発掘された " 鉄軌道と転車台 "。横浜税関の敷地内で荷役作業を行うために設置されていたものです。倉庫の下に埋まっていたのでかなり保存状態がいいですね。強化ガラス越しに直接見ることができます。
横浜開港資料館
象の鼻パークから歩いて5分。横浜開港資料館があります。
1981年開館。元は1931年竣工の旧英国総領事館。展示室には1859年の横浜開港から昭和の初め頃までの横浜発展に関する資料が展示されています。
中庭にあるタマクスの木は1854年ペリー来航時の絵画にも描かれている木です。ここに応接所を設置して日米和親条約が締結されました。
地図を見ると現在の元町中華街エリアが外国人居留地だったということがわかります。中心は横浜開港資料館のあるあたり。目の前がペリーが来航した場所です。
展示室には幕末期のみならず、その後の横浜発展の歴史を紹介する展示があります。生糸を主軸に発展した横浜港の貿易・関内や伊勢佐木町の発展などの資料は興味深い内容でした。
横浜は外国人居留地のあったエリアを中心に発展。関東大震災以前の横浜市街地は現在の中区・西区と神奈川区・磯子区・南区の一部まででした。横浜市電の路線延伸に伴い、市街地が広がっていきました。
山下公園
1930年開園。関東大震災の復興事業として瓦礫を埋め立てて作られました。1935年復興記念横浜大博覧会開催。戦後、米軍による接収後、54年返還・再整備開始。61年再整備終了・氷川丸係留。
みなと横浜の昔ながらの名所です。11月はいちょう並木が美しいですね。
海側には横浜の海と氷川丸。横浜ベイブリッジも見えてますね。
海と反対側はマリンタワーとホテルニューグランド。色とりどりの花が山下公園らしい風景です。
氷川丸
国重文。1930年日本郵船がシアトル航路用に建造。 戦前の日本で建造され現存する唯一の貨客船です。60年引退。61年山下公園前に係留保存。2008年に"日本郵政氷川丸"としてリニューアルオープン。
1938年嘉納治五郎はIOC総会からの帰国途上、氷川丸船内で亡くなります。氷川丸に乗り合わせていた外交官の平沢和重が最期を看取りました。横浜港到着2日前のことでした。
大河ドラマ " いだてん " では嘉納治五郎を役所広司さん、平沢和重を星野源さんが演じていましたね。食堂・デッキ・客室などを見ているとその時のシーンが思い出されます。
氷川丸の船名は大宮氷川神社が由来。操舵室の神棚にも祀られています。かつては姉妹船として平安神宮が由来の平安丸、日枝神社が由来の日枝丸も存在していました。
煙突の白に赤い二本線は日本郵船のトレードマークですね。
機関室には8つの気筒で構成されるディーゼルエンジン。右と左に1基ずつ設置されています。
ホテルニューグランド本館
1927年開業。ダグラス・マッカーサー、チャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースなど多くの著名人が宿泊した日本を代表するクラシックホテルの一つ。外観は開業当初のままです。
ドリア・ナポリタン・プリンアラモード発祥のホテルとしても知られています。♪シーガーディアンで酔わされて~のバーもこちらのホテルですね。
小さな旅の終わりに
"永福寺と鎌倉御家人"展を見に馬車道の神奈川県立歴史博物館へ。特別展のテーマが ” 源頼朝が愛した幻の大寺院 ” ということで入口には"鎌倉殿の13人"パネル。源氏将軍三代の頼朝・頼家・実朝が揃い踏みですね。主人公の北条義時の他にはトキューサ(北条時房)と三浦義村が脇を固めています。
横浜ハンマーヘッド脇には護衛艦 " しらぬい " が停泊中。ちょうどフリートウィーク開催中でした。艦艇一般公開には多くの人が並ぶ行列ができていました。
かつての新港埠頭は一般の人が立ち寄るような場所ではなく、赤レンガ倉庫もスプレー落書きが横行する廃墟のような状態でした。2002年に見事なリノベーションによりリニューアルされた ” 横浜赤レンガ倉庫 ” 。賑わう赤レンガ倉庫を見るとなんとも感慨深いものがあります。
横浜開港資料館の地図。お三の宮日枝神社あたりから分かれる大岡川と中村川の間の地域は吉田新田。江戸時代前半に入海を埋め立てた干拓地です。
幕末の頃の海岸線を見ると位置関係がよくわかりますね。横浜開港資料館の前が西波止場でペリーが上陸した場所。その西側に広がる地域が外国人居留地です。
IOC総会からの帰路に太平洋上の氷川丸で亡くなった嘉納治五郎。"いだてん"での平沢和重との場面を思い出します。氷川丸から運び出された柩にオリンピック旗がかけられたという話はドラマでも描かれていましたが、これは史実のようですね。
P!NK の " Never Gonna Not Dance Again "。4年ぶりのアルバムからのリードシングルです。
この曲がなかなかいい。名プロデューサーMax Martinが制作に関与しているということでなるほどの出来。” I'm never gonna not dance again(もう二度と踊らないなんてあり得ない)Oh, I just wanna pop and lock to my records(私のレコードにはポップとロックだけが欲しい)” と歌っていますね。ダンサブルなMVにも注目。