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適応障害:「反芻思考」を離れるヒント

投稿:026
【記事の要約】
この記事は私が「適応障害」という心の病を患った時の体験談です。
テーマや切り口ごとに分けて記事にしています。

今回のテーマは「反芻(思考)」。
過去の辛い出来事や失敗など
ネガティブな記憶を反復して
考え込んでしまう状態
のこと。
反芻思考は不安やストレスを増幅させます。
どう向き合うか試行錯誤していますが、
体験談が、皆さんの参考になれば嬉しいです。

本記事のポイントは以下の通り。
・反芻(思考)の感覚を理解できる
・反芻の苦しみから抜け出す工夫
・嫌いなものほど反芻してしまう心の働き


反芻思考の苦しみ

「反芻思考」という言葉をご存知でしょうか?
私がこの言葉を初めて聞いたのは、
適応障害で抑うつ状態と診断された時でした。

建設的に問題を解決する思考ではなく、
過去や、相手の考えなど
「変えられないこと」を
ひたすら考え続けるので、
精神が一気に摩耗します。

そうとわかっていながら、
何度も繰り返してしまう
ところが
異常な状態なのです。

これ、すごく辛いです。
私は「眠れない」と感じ始めた時に
反芻思考の症状が色濃く出てきました。

自分で終わらせるしかない。けど、抜け出せない

反芻思考には終わりがありません。
だから、結局自分で終わらせるしかない。

でも、苦しみの渦中にある時はその余裕さえない。
考えるほど思考の沼から抜け出せなくなるし、
脳は疲弊して他のことに集中できません。
頭痛になることもあるし、
それでもなお眠れないことも。

反芻している対象はどうしようもないことか、
どうでもいいことである場合が多い
ので、
もっと大切なことがあるのに
反芻思考に陥っていた自分をさらに嫌悪してしまう。

心と思考に余裕を持たせるには、
どうにかして睡眠を取れるように
時間をかけて回復を目指すのが
一番近道なのかもしれません。

主治医の指導のもと、
ネガティブな考えを相談して
今の自分のポジティブな面に気づかせてもらったり、
ポジティブな言葉を声に出して
思考を変えていく実践を重ねました。
そうしていくうちに
気づかなかった喜びとか、楽しさを
心のなかに増やしていって
ネガティブな感情から離れる時間を
増やしていこう
と努めました。

現状を認めて、完璧を諦める

最後は反芻してしまう自分を
「認めて、諦める」覚悟
が必要だと思います。

心配はさらなる心配を生み、
不安はさらなる不安を増やます。

いくら考え続けても
決して安心の境涯は得られません。

それに反芻を繰り返していると
苦しいし、疲れるし、
「もうこんな苦しい思いは十分だ」と
懲り懲りした気持ちになるものです。

最初は慣れないけれど、
そんな風に新しい自分を
創っていくしかないと私は諦めました。

「嫌い」なものと心の距離感

鶴見済『人間関係を半分降りる』のなかで
興味深い記述を見つけたので紹介します。

「相手から離れたいと思うなら、
双方の頭に浮かばないように少しずつ離れていき、
気がついたらすっかり疎遠になっているのが一番いい」

鶴見済『人間関係を半分降りる』P.41

「頻繁に意識にのぼるなら、
心の距離はとても近い。
心の距離が近ければ、
『嫌い』の気持ちがどんどん大きくなり得る」

同著P.81

嫌なこと、嫌な相手だから離れたいはずなのに、
反芻して心の距離を自分から近づけてしまうなんて
皮肉以外の何ものでもありません。

けれども、反芻はまさにその状態です。

抱えている不安や心配を
認めて、ある程度は諦めること。
日々の生活のなかで
見落としているかもしれない
喜びやポジティブな面を拾い集めていくこと。

そうしたアクションを通して
いつの間にか悩みから離れていることが
今の私の目標です。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。


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