ネメア~その1~
今年の5月、ギリシャの重要なワイン産地の1つ、「ネメア」を訪問しました。
アテネからネメアは車で約1時間半。
英雄ヘラクレスは、ゼウスと人間アルクメネの間に生まれた神様と人間のハーフです。
ゼウスの本妻ヘラはとても嫉妬深い女性で、ヘラクレスをとても憎み、彼の人生に様々な困難を与えました。
その中で最も残酷だったのは、ヘラクレスに自分の妻と子供を殺めさせたこと。これはヘラがヘラクレスに狂気をもたらしたことによるものでした。
我に返ったヘラクレスは自分の行いに気づき、深く傷つき苦しみます。
犯した罪を贖罪したかったヘラクレスは、デルフィ神託(詳しくは10月9日のブログで書いてます!)でその方法を尋ねたところ、エウリュステウス王に仕えることを命じられました。
エウリュステウス王は彼に「十二の功業」を与えました。
1. ネメアのライオン退治
2. レルネのヒュドラー退治
3. ケリネイアの鹿捕獲
4. エリュマントスの猪捕獲
5. アウゲイアスの牛舎清掃
6. ステュムパリデスの鳥退治
7. クレタ島の牛捕獲
8. ディオメデスの人食い馬退治
9. アマゾーンの女王ヒッポリュテの帯入手
10.ゲリュオーンの牛奪取
11. 黄金のリンゴ奪取
12. ケルベロスの捕獲
1つ目の功業の舞台がネメアだったのです。
ネメアのライオンは、現地の人々から恐れられていた巨大なライオンで、どんな武器も通さない固い皮膚を持っていました。
ヘラクレスはこのライオンをなんと、素手で絞め殺します!(笑)
圧倒的神の血筋!!!
そして彼は、ライオンの皮膚を剥ぎ自らの防具として身にまとい、ライオンの頭を兜として使用しました。生命体として強い!!
その他にも、ネメアは「ネメアンゲーム (Nemean Game)」が行われた土地でもあります。
ネメアゲーム(Nemean Games)とは、古代ギリシャで開催されていた主要な体育競技大会の一つで、オリンピック、イストミアゲーム、ピューティアゲームと並ぶ「パナヘレニックゲームス」の一つでした。
紀元前573年から始まったこのゲームは、当初は2年おきに開催されましたが、後にオリンピックの中間年に開催されるようになりました。ゼウスの祭典として開催され、主な競技には短距離走、レスリング、ボクシング、馬車競走などが含まれていました。また、オリンピックと同様に、競技は裸で行われることが一般的でした。
と、このようにネメアは古代からギリシャの重要な土地でした。
現在は重要なワイン産地の1つです。
次回は、ワイン産地としてのネメアについて!