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図書館でおみくじ


おみくじコーナーが図書館に

 今年のお正月は、どこかの神社でおみくじなどを引かれたでしょうか。
 ・・・って、お正月なんていつのこと?といわれてしまうくらいに、早や1月が過ぎようとしていますが。
 今更ながらですが、今年はちょっと変わったおみくじを引きました。引いた場所は、東京都千代田区にある日比谷図書館。年初に本の返却に行くと、1階入り口の右手奥に、おみくじのコーナーが設置してありました。
「おみくじ無料 どなた様もご参加いただけます」
 図書館でおみくじ?いったい、どんなおみくじなんだろう…。近づいてみると、箱が4つ用意されていて、それぞれ「健康・美容」「人間関係」「お金」「将来」とあります。
 背後にはロダンの考える人のイラストと「悩んだ時には本に聞こう 人が抱える4大悩み①人間関係②将来③お金④健康(美容)を解決するおみくじを引いてみませんか」とある。特に何も書かれていないので、それぞれ1つずつ引いても良いみたい。わくわくしながらも神妙に引いてみました。

図書館らしく「悩んだときは、本を開こう」。考える人が本を持っている!
夏目漱石や本田清六などの言葉もあったみたい。

丁寧に手作りされたおみくじ

 引いたおみくじは、短冊型(一筆箋のサイズ)に丁寧に折られ、それぞれ「人間関係」は緑、「将来」は青、「お金」は黄色、「健康(美容)」はピンクの付箋で帯のように留められています。

箱の色と同じ付箋で帯のように留められたおみくじ

 1つひとつスタッフの方が丁寧に作られたのでしょう。箱の中を覗き込むとそれなりの数が入っていましたので、作るのに相当時間がかかったのではないでしょうか。和紙のような紙が使われているのも神聖な感じがして、個人的にツボです。

やっぱり「フリ」って大事

 さっそく開いてみると、本の中から選び出した言葉が印刷されていました。たとえば、ピンクの付箋で留められていた「健康・恋愛」は「吉」。そして、こんな言葉が書かれていました。

生き生きとしていれば、
それだけであなたは美しい。
生き生きとしていれば、
人はあたなに醜さを感じることはない。
まずは、フリでもいいから、
笑顔を作り、生き生きとしてみることよ。

『ココ・シャネル99の言葉』 酒田真美著 リンダパブリッシャーズ P156

 いわゆる美人というわけではないけれど、輝いている人っていますよね。たしかに生き生きしている人は、それだけで美しいし、そういう人の言葉は前向きな言葉を発することが多いような気がします。
 「フリでもいいから」っていうところがミソ。
 いわれてみれば、今日は元気がないなぁという日でも、無理やり笑顔を作ってみると、はじめはちょっと引きつっていた笑顔も、あれれ。なんとなく、ほんのちょっぴりとだけど、元気になってきた気がする。「ま、いいか」という気分になるというか。

デザインも、それぞれに違って凝っている!言葉選びだけでも大変だったろうなぁ。
そのうえ、デザインして、和紙風の高級そうな紙に印刷して、折って帯どめして…
大変な手作業に感服。図書館らしく、出典が詳しく記載されている。

挑戦しないと始まらない

 青色の付箋で留められていた「将来」は末吉。デザインも若干異なります。そこには、こんな言葉が。

失敗がなければ、成功もない。
チャレンジしなければ、
何も始まらないのよ。
自分の行きたい道を歩みなさい。
誰かが敷いた『正しい人生の道』なんて、
おそろしいものよ。

『ココ・シャネル99の言葉』 酒田真美著 リンダパブリッシャーズ P126

 ちょうど今朝、13歳のバイオリニスト、HIMARI(吉村妃鞠)さんの動画をYouTubeで観たときに、大切にしている言葉として紹介されていたのが「挑戦しないと始まらない」でした。
 偶然にも、ココ・シャネルの言葉と同じです。もちろんHIMARIさんはココ・シャネルを意識したわけではないでしょうが。彼女はインタビューに、このように答えています。
「(カーティス音楽院の)試験までに1か月半しかなくて、絶対無理だと思っていたんですけれど、今しかないと思って、チャンスは。その時に『挑戦しないと始まらないな』と思って、やっぱりあの時挑戦して良かったなって思っています」
名門音楽院に10歳で合格、来年にはベルリン・フィルとの共演も…13歳のヴァイオリニスト HIMARIさんが大切にしている言葉【news23】|TBS NEWS DIGより

 挑戦しないと始まらない。当たり前だけれど、歳を重ねるごとに、億劫になったり尻込みしたりして、なんとなくやりすごしてしまいがち。それでは、何も始まらないのですよね。まずは一歩、踏み出さなくちゃ。過去と、そして今を生きる二人から強く背中を押された気分になりました。
 格言や名言を記した書物はたくさんあるけれど、「図書館でおみくじ」という一風変わった趣向で、素敵な言葉に出会った一年の始まりでした。

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