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あの時納得させてくれた だから信用できたんだ

私の娘は今高校生になっている。

今は習い事など何もしていないが、幼稚園、小学生の頃はいくつかやっていた。

娘は自分からやりたいという事があまりなかったので可能性を広げる意味で「これやってみる?」といくつか進め、体験入学をして娘が「行く」と言ったものを習っていた。

だけど、子供なのでたまにへそを曲げる時があった。
行きたくない、やりたくない。
そう言って泣いて行こうとしなかった。

そう言うお子さんに対する対応の仕方はいくつかあると思うが、習い事の先生でこういう人がいた。
「とりあえず、泣いてでも連れて来て下さい。」
でも私は、

本人が行くという事に納得していないので。」

納得は後から付いてきます!

それを聞いたとき「そうかな…?」と思った。

それって指導者にとって都合の良い指導法ってことにならないか?
どんな状況でも選択肢はいつも一つに決めておくととてもやりやすい。
考えたり迷ったりしないからだ。

だから「力ずくで連れて行く」一択だったら指導者にとってとても楽だと言える。

その場に合わせた、その子に合わせた指導をその都度考えなくて良い。
後から「絶対に私の指導が正しいと分かるからです」っていう謎の確信に頼っているだけだ。

考えとしてはけっこう乱暴に思えた。

確かにそういう指導をして大きくなってから賛同する子もいるだろう。
だけど、成長した時納得していなかったら、場合によっては傷になるかもしれない。

しかも、私の娘の場合、その習い事は私が勧めたもので、体験をして「行く」とは言ったものの自分から習いたいと言ったものではないし…。

私はその先生の指導にはどうしても賛同できず、結局そうはしなかった。

必ず娘に話をして「納得」したら連れて行った。
だから、娘は泣きながら行ったことはない。

娘は今成長して(といってもまだ未成年だが)たまに昔の話をするときがある。
そして、この間こういう習い事の話になった時娘が私に言ったのだ。

「ママってさ、絶対に無理やり連れて行ったりとかしなかったよね。」

「まぁ、うん。自分が小さいころそういう風にされるのは嫌だったし、大人になった今もそのやり方が良いとは思えないんだよね。
だからあんたが納得してないと連れて行きたくなかったのよ。」

「それで、良かったと思うよ。」

「あぁ、そう?」

「わたしの性格からすると、あのとき無理やり連れて行かれてたら一生ママのこと信用してなかったと思うわ。」

そう言われて嬉しかった。

子育ての方法は本当に色々ある。
この子にはあれでよかったんだなと思い、少し自信をもらえた気がした。



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