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夜爪を切ると親の死に目に会えないよ
結婚すると相手の家のやり方にちょっと驚くことがある。
少し違う文化に触れるような感覚だ。
本当にちょっとしたことなのだが、うちでは捨ててしまうような部分を食べたり、卵焼きの味付けや、鍋の味付け、洗濯する回数、そのたたみ方だとか…色々だ。
私は昔、お風呂上りに夫に言われたことに驚いた。
私が夜、お風呂上りに爪を切っていると
「なぁ、夜に爪切ると親の死に目に会えなくなるぞ。」
「え?何それ?聞いたことないんだけど。」
「おれは小さいころから親にそう言われてきたから夜に切らないんだけど…。」
「へ~、そうなんだ。」
私はどちらかと言うと爪は夜切るように習慣付いていた。
なぜなら、お風呂上がりの方が爪が柔らかくなって切りやすいと母に言われてたから。
そして、夫の実家にかえったとき、お義兄さんが私に言った。
「ねぇ、めぐりちゃん。嫁がさ、おれが夜に爪切ったら怒ってきたんだよね。親の死に目に会いたくないの!?って…。
そんなこと聞いたことなくて。ここの家は夜に爪切るのだめなのかな。」
「う~ん、そうかもしれない。うちの夫は怒ったりしなかったけど同じ事言ってたよ。」
あ~、やっぱり同じ家で育ったお義姉さんもそうだったか。
私は一応そのことについて調べてみた。諸説あるようだが
まず「親の死に目に会えない」と言うのは自分が親より先に死んでしまって会えないという意味らしい。
なぜなら、昔は電気もなく夜は暗かった。
爪切りなんて便利なものもなかったので、爪を切るのは結構危ない行為だった。
だから、暗い中そんな危ないことを平気でする人は注意力に欠けるので、自分の不注意で事故に合い親より先に死んでしまうに違いない。
と言う意味だったらしい。
とすると、現在のように、電気をつけることが出来て安全な爪切りを使っているなら、その言い伝えの効力はなくなっている。
今まで守ってきた事を意味のない事だというのは申し訳ない気がしたが、私は夜に爪を切りたかったのでこのことを夫に言った。
すると納得してくれて、今では夜に一緒に爪を切っている。笑
でも、ご両親には言ってない。
人が信じてきたものをいたずらに否定はしたくなかったからだ。一緒に暮らしていないし言う必要がないと思った。
一緒に暮らしている夫は私と文化を融合させる必要があるので伝えた。
とりあえずこの件はこれで良かったかな。