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親ガチャにはずれた それを聞いたとき我が子の反応は…

親ガチャ

この言葉を聞いたのは数年前だった気がする。

親ガチャの「ガチャ」はガチャガチャの意味らしい。

数百円入れたら景品が出てくる機械で、カプセルに入った景品が1つ出てくるのだが何が出てくるか分からない。
もしかしたら自分の欲しくない景品が出てくるかもしれない。でも一番欲しい物かもしれない。ちょっとしたギャンブル気分になる。
といった販売機。

この機械の仕組みになぞらえてこの言葉が出来たみたいだ。

親ガチャに当たった。はずれた。

すなわち「親ガチャにはずれた。」という事は、自分が理想とする親ではなかったという事らしい。

若者が冗談なのかそんな風にふざけて使っていた。

それを聞いたとき私は「あまりいい言葉じゃないなぁ」と思った。

私はその時すでに親になっていたし、自分の子どもに「親ガチャはずれた」なんて言われると、普通にショックだからだ。

自分の親にもそんな言葉使いたくなかった。たとえ「当たった」といういい意味でも…。

あるとき高校生の娘と中学生の弟が部屋から話している声が聞こえてきた。

「ねえ、親ガチャって言葉知ってる?」
お姉ちゃんが弟に言った。

私はその言葉に反応して、部屋の外から聞き耳を立てた。

「うん、知ってるよ。失礼だよな、それ。」
弟が言った。その言葉に私は耳をピンッと立てた。
「産んで育ててくれてる人に対してさ。」

む、息子よ!よく言ったその通り!
私は心の中で歓喜の声をあげ、1人ドアの外で喜んでいた。

「私もそう思う。その言葉聞いたときイヤ~な気持ちになってさ。ってか、そんな言葉作らなくてもいいのにって思っちゃって。」

娘ーー!!エライ!
私はドアの外で感動して涙が出そうだった。

「そうそう。おれは分かんないんだけど出産って大変なんでしょ?
その後で育てて、世話してってけっこうなことだもんな。」
弟がそう言うと、
「だよね~。その言葉使ってる人たちってここまで育ったのがどれだけ有り難いか分かってない気がする。そりゃ、中にはひどい親もいるんだろうけどさ。」
お姉ちゃんが言った。

私はとても嬉しかった。

この会話は私が今まで聞いた中で、心に残る会話になった。

私はひとりニヤニヤしながら、今日は唐揚げ(2人の好物)作ろうっと思った。

小さいころから、周りの人に感謝しなさい。お礼を言いなさいよ。
漠然とだが私はあの子たちに言ってきたつもりだ。

この会話を聞いて、今まで私たち親が言ってきたことがこの子たちに伝わっていたんだなぁと実感した。

そしてある人物に感謝した。

それはうちの子たちが通っていた幼稚園の園長先生だ。

その先生は園の親御さんのために子供への接し方についてセミナーを開いてくれていた。自由参加のセミナーで私も時々参加していた。

その時は確か、片付けを全くしないお子さんに困っている親御さんが相談していたと思う。すると先生は一つのやり方を挙げた。

「みなさん、普段から子供たちに自分のしたことに責任を取ろうね。と言ってあげてください。

もちろん『責任』なんて言葉の意味、園児には分かりません。

だけど、その言葉を普段から使って下さい。
そして具体的な事が起こったときにその言葉を出してください。

例えば、牛乳をこぼした。それをお母さん一人で片づけるのではなく、お子さんにも拭かせてあげてください。
片付けが下手でもいい、でも拭き終わった後に

『えらいわね、ちゃんと責任とれたわね。』

と必ず言ってあげてくださいね。すると、子供は学んでいきます。

これが責任を取るっていうことかってことを。

なので、自分が出して遊んだおもちゃを片づける時にそう言ってあげてくださいね。」

私はこのやり方を聞いたとき結構いいかもと思い実践したのだ。

もちろんお片付けの時の「責任」という言葉も使ったが、他の言葉でも同じことが出来るのではないかと思った。

だから「感謝」も積極的に子供たちに使うようにした。

「責任」も「感謝」も子供にとっては抽象的な言葉なのでどういうこと?と思うだろう。

だから園長先生の言うように、私は日常でその言葉を使い子供たちの耳にその言葉を慣れさせ、具体的な事が起きた時にその言葉を出して誉めた。

私は園長先生から教えてもらったこの教育法を実践したことが今回聞いた娘と息子の今の会話に繋がっているのではないかと思っている。

その夜遅く帰ってきて、唐揚げを頬張ってる主人に今日の子どもたちの会話を話した。

すると主人は
「お~、あいつらいい感じに育ってくれたな!ありがとう。乾杯!」
そう言って、とりあえず飲んでいたお茶で2人で乾杯した。

「園長先生ありがとうございます」そう心の中で思った。

色んなお子さんがいらっしゃると思いますが、抽象的な言葉を普段聞かせて、具体例が出たときに誉めるというやり方、けっこうオススメです。

子供たちには、その意味の大切さに気づく日がきっと来るとおもいます。




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