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紙の本、電子の本、聴く本。どれを読むか。

紙の本

そもそもこの言葉が生まれたこと自体、昭和生まれの私にとってはかなり衝撃的でした。
だって、本は紙でしょう?と。

聴く本(オーディオブック)

というのもまたしかり。え? 本を、耳から聴く?と。

ああ、読書という原初の行為にまでも、未来が迫り来る。

読書も色々あるけれど、どんな読書がお好きですか?
今回はそんなお話です。

電子書籍 いにしえの物語

まずは電子書籍の昔話から。
かつて電子書籍が登場したとき、私は真っ先に手を伸ばしました。

でも、なんだかしっくりこなかった。
というのも、当時の電子書籍はほぼPDFだったから。

しかも、本をただスキャンしただけのような。
それだと、電子の良さは「かさばらないこと」くらい。
満足度が高くないのもしかたないことですね。

少し時は流れ、やがて電子書籍は、ちゃんとしてきました。

たとえば、文字サイズが変えられる。
あるいは、キーワード検索ができる。
知らない単語の意味をネット検索できる。

こうなると便利ですよね。

割引セールなんかもよく見かけるようになりました。
考えてみれば紙の本に比べて製造にも流通にもコストがかからないので、これも自然なことですね。

さらに、電子インクを利用した電子書籍リーダーの登場。
これで電子書籍のたしかな地位が確立した、と個人的には思っています。

電子インクで描画された文字は、スマホやタブレットで見る液晶画面とは異なり、紙の印刷物に限りなく近い。
バックライト式ではないため、目にも優しく暗がりでも読みやすい。
ページめくりの時にしかバッテリーを消費しないため、充電も数週間はもつ。

この辺まで来ると、電子書籍の良さ、紙の本の良さがそれぞれ明確になってきて、比較対象として成立するようになりましたね。

電子書籍 ここがいい

電子書籍の良さは上でも少し触れましたが、改めてまとめてみましょう。

  1. 字体や文字サイズが変えられる

  2. 検索性が高い

  3. 単語の意味を調べられる

  4. すぐ買って読める

  5. セールが多い

  6. かさばらない

1.字体や文字サイズが変えられるについて
発行年の古い本を読むとき「文字が合わない」と思うこと、ありませんか?
フォントが好みでなかったり、文字サイズが小さ過ぎたり。
電子の場合、好みのフォントや文字サイズに変更できます。
些細なことに思われがちですが、断然読みやすさが違ってきます。

2.検索性が高いについて
小説を読んでいて「この人物、たしかだいぶ前に出てきたけど、誰だっけ?」なんてことはありませんか?
電子だと、すぐに全文検索で探せます。
ただ最終ページまですべてを検索してしまうのでネタバレには注意、です。

3.単語の意味を調べられるについて
知らない単語が出てきたとき。
長押しして手軽に調べることができます。使用端末にもよりますが、Wikipediaの結果をすぐに見せてくれるものも。
難しめの本を読むときなど、知識の肉付けもできて読書の質が上がりますね。

4.すぐ買って読めるについて
読書効率って、モチベーションに大きく左右されると思うんです。
「この本が読みたい!」
「こういう知識を得たい!」
そう思った瞬間が、一番吸収できる。
紙の本の場合、それを買いに走る必要がある。あるいは、ネットでポチって配送を待つ。いずれにしても、すぐには読めません。
ポチってその瞬間から読めるというのは電子書籍の大きなアドバンテージです。

5.セールが多いについて
電子書籍はどのプラットフォームでも、頻繁にセールをしています。
3割ほどの値引きもあるし、中には半額分のポイント還元ということも。
本をたくさん買う人ほどこの恩恵を受けられます。
セールでポイントをためて、そのポイントで本を買って。
エンドレス読書です。

6.かさばらないについて
これは一番わかりやすいですね。
たとえば「こち亀」や「ワンピース」などの長寿漫画の全巻を買おうと思った場合、まず置き場所を確保する必要があります。
でも、電子書籍なら心配ありません。
散歩でも通勤でも旅行でも、全巻を持ち運んで、存分にその世界を堪能できます。

そしておまけです。
個人的には「寝落ち読書向き」というメリットを補足しておきます。
タブレットやスマホではなく電子書籍リーダーでの読書に限るのですが、ベッドで読みながら眠ってしまっても割と大丈夫です。
薄いし軽いしタフなので、紙の本のようにいたんでしまうこともありません。
眠りにつく直前まで本の世界にひたることができます。

紙の本 ここがいい

これだけ電子書籍の良さを語ると、私は電子書籍派だと思われますよね。
実は必ずしもそうでもありません。

たしかにコストやスペースの問題で、電子書籍の方をよく買いますが、紙の本も大好きです。

ここで紙の本の良さを挙げてみましょう。

  1. 装丁を楽しめる

  2. 質感を楽しめる

  3. 厚みを楽しめる

  4. 本棚を飾れる

  5. 紐のしおり、紙のしおり

きっとこれらは本好きの諸氏には言わずもがな。
一気に解説しますね。

表紙と帯。
開いたときに見える中扉。
両手で感じる本の重みと温もり。
ページをめくる感触。
読み進めていくたびに親指の感じる「残りページの厚み」。
読み途中で挟まれるお気に入りのしおりや、本に縫い付けられた紐のしおり。
そして読了後に本棚に並ぶ感じ。

これらが紙の本の魅力です。

つまり、一言でまとめると
紙であり実体があるということ。

拍子抜けするくらいにシンプルな理由なんですが、これが重要。

紙であり実体がある。
手に取れる。
ただこれだけで、先ほどの電子書籍のメリットのすべてと釣り合うほど。
それこそ、どちらを買おうか迷うくらいの魅力だったりするんです。

今、書きながら気づいたんですが、私は意識せずに
電子書籍は【メリット】、紙の本は【魅力】という言葉で表現していましたね。
思えば、これが全てのような気がします。

【メリット】を追求するなら電子書籍。
【魅力】を追求するなら紙の本。

もちろん電子書籍だって、今後さらに進化を続けて【魅力】で語れる日が来るかもしれませんが、現時点では【メリット】という言葉の方がしっくりくるなぁ、と思うのです。

聴く読書のメリデメ

さて、最後に「聴く読書」の話です。
一般的にはオーディオブックと呼ばれています。

既存の本を、プロの俳優さんや声優さんが朗読した音声データを「聴く」という形で読みます。※読み上げはAIの場合もあります

有名なところではAmazonのオーディブルでしょうか。

本好きの私は、これも試してみました。
というか、絶賛利用中です。

おそらく、紙の本のや電子書籍に比べて、触れたことのない方も多いかと思いますので、私の思うメリットとデメリットをあげてみます。
まずはメリット。

  1. 「ながら」で聴ける

  2. 苦手なジャンルも意外と聴ける

1.「ながら」で聴けるについて
オーディオブックは目で読むわけではないので「ながら聴き」ができます。
これが最大のメリットです。
車の運転中でも、満員電車の通勤中でも。掃除中でも、料理中でも。
今までは読書に充てられなかった時間に読めるというのは、読書家にはたまらないメリットですよね。

2.苦手なジャンルも意外と聴けるについて
これは、実際につかうまで気づかなかった利点でした。
紙の本では手が伸びなかった作品にも手を伸ばすことができます。
私の場合は、SFやライトノベルがそうでした。
ボイスドラマを聴く感覚に近いかもしれません。ページをめくって読み進めるにはエネルギーがいりますが、耳を傾けるだけならそれほどではありません。
ちなみに私はつい最近、中国のSF巨編「三体」を全巻を読んだのですが、SFというジャンルが苦手な私がこれを達成できたのは、オーディオブックだったから、だと思います。

次に、デメリット。

  1. 振り返りづらい

  2. 図解との相性が悪い

1.振り返りづらいについて
数ページ前に戻る、がしづらいです。
操作画面を見ればできないこともないのですが、ながらで聴くのが基本のため、その操作自体がやや面倒に感じます。
ポケットに入れたスマホを取り出して画面を開き、数十秒ずつ戻る、というひと手間。
紙や電子書籍と比べると不利な点ですね。

2.図解との相性が悪いについて
図解や挿絵はPDFで見ることができたりもするのですが、1と同じ理由でちょっと面倒。
聴く読書の場合、絵が多用されている本には不向きかもしれません。

これ以外に、メリットともデメリットとも言えるのが「ナレーターの解釈を介しての読書になる」という点です。

本を読むときって、自分の心の中で謎の声が朗読したりしていませんか?
その声は、自分自身の解釈に従って声を出している。

でも、オーディオブックの場合、第三者(俳優や声優)が、その人の解釈をもって朗読する。
本で読んでいたら感じなかったニュアンスを感じてしまうかもしれない。
それは、気づきとなる場合もあるし、ノイズとなる場合もある。
少なくとも、本として目で読んでいるときとは「異質の読書体験」になるのだろう、と思います。

皆さんはどうおもわれますか?

さて、ここまで紙の本、電子の本、聴く本、それぞれについて私の思うことをつらつらと書いてきました。

皆さんはどうお感じになりましたか?

読書行為というのは極めて主観的でプライベートなもの。
きっと、人それぞれに感じることがあるかと思います。
他の方がこれらの読み方と、どのように関わっておられるのか、興味津々です。

「自分はこうやって使い分けてる」「ここがいいところだと思う」など、もしありましたら、コメントでぜひ教えてください。

長文におつきあいいただき、ありがとございました。

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