龍神様の住むところ 壇之浦を望む赤間神社【山口】
門司側から徒歩で関門トンネルを抜けるとそこは下関。
源平合戦の最終地、壇之浦。
せっかくなのでそのまま歩いて安徳天皇が眠る赤間神社まで行ってみることにした。
関門トンネル下関口からバスで10分ほどなので、歩くとだいたい20分。
潮風を感じながら散歩するにはいいコース。
途中、海の中に御神体がある立石稲荷の前を通り
しばらく海沿いを歩くと、竜宮城のような建物が見えてくる。
それが赤間神社。
ここは、源平合戦の最終地、壇ノ浦。
追い詰められた平家とともに入水された御年8歳の安徳天皇が眠る。
琵琶法師によって語られる平家物語の中で、平時子に抱かれ、「波の下にも都が候ぞ(海の底にも都はありますよ)」となだめられながら、安徳天皇が波の下に消えゆく場面は聞くものの涙を誘う。
ここには平家の七盛もともに眠っていると境内にある碑石に書かれていた。
そばには耳無し芳一像もある。
自分の耳を引き千切った平家の方々の前にずっと座らされている芳一は、まぁまぁすごい恐怖に晒されているように思えてちょっと気の毒な気もする。
安徳天皇とともに波の下に消えたと言われている皇室の正統性の証である三種の神器。
その後引き上げられて、八咫の鏡は引き上げられて赤間神社に奉鎮されているのだそうだ。
権力争いに使われた幼い天皇も、一つの道具に過ぎなかったのか。
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色は 盛者必衰の理をあらわす
おごれるものは久しからず すべて春の夜の夢のごとし
猛きものも常に滅びぬ 偈に風の前の塵に同じ』
ふと、背後から、琵琶の音が聞こえたような気がした。