読書記録 |本のない、絵本屋クッタラ
今回は絵本とスープが出てくる一冊を読み終えた。
『本のない、絵本屋クッタラ』 標野凪
積み読から、スイーツの次はスープだと迷わず選んだ。
絵本選びと心あったまる季節のスープとのセットで訪れるお客様に忘れていたことを思い出してもらう話。
どの章も最後はほっこりとあったまるのが良かったなぁ。
仕事や生活の中で誰しもが、何かに必死で本来大切にしたいものを忘れてしまう事がある。
そんな人たちが絵本探しに訪れては、絵本を受け取るころには店主との会話とスープを味わいながら忘れてたことと絵本を受け取って帰る。
思考って本当はシンプルで、
1つを考えすぎると極端になり、考え方が偏る。
絵本のストーリーや仕掛けを使ってこんな風に考えてみたらどうかな?とスープと一緒に提供する店主は素敵だ。
そんな絵本とスープの魔法使いのような店主にも、絵本に救われたことがあり、このお店の中にもいくつかの理由がある。
会話の中でそっと寄り添う店主と隠れ相棒が最高。
最後の章では店主とその相棒とのやりとりに心はぽかぽかになった。
私も冬を乗り切れそうな気がしてきた。
中でもお気に入りは、
「さかさまのスープ」に出てくる
『ネガとポジの活用です。くるりとひっくり返せば、同じことだってネガティブになったりポジティブになったりするってことです』
という言葉。
私もちょうど忘れかけてた事に気づいた。
私はネガティブがベースにある、でも周りには嫌なことも人前では笑いながら話してしまうところがある。
自分の中でネガティブな執着になってくると何もかも苦しくなるから、
一度好きなことに目を向けたらそんなネガティブに考えることじゃないと気づいた。
私もネガティブとポジティブの活用法を上手くなって、視野を広げたいなぁ。
標野凪さんの作品は動物と食事が出てくるものが多く、ほっこりしつつもじわっとくるところがあって好きだ。
文章も私の好みで好きな作家さんの1人。
今回もクスッと笑えるエピソードがありつつ、面白かった。
私もクッタラに行きたい。
できればアスパラのスープがいいなぁ。