エル・カンターレに出会って
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『復活の法』 大川隆法著
第4章 因果応報
心は自由自在です。しかし、将棋には名人にも素人にも共通のルールがあるように、心に関してもルール自体はあります。
悪いことをしても、反省によって修正が入れば、その悪を消し込むことはできます。ただ、反省は、なかなか、できるものではありません。傾向性として、付いてしまったものは、そう簡単に取れるものではないのです。自分を客観視して反省ができ、それを取れる人はそうとう立派です。
悪い心から逃げ出すためには、一定の正しい心を持った人たちの群れ、集団のなかに入ることが大事です。
これを仏教的には「預流」といいます。「流れに預かる」ということです。
すなわち、「悟りに向かっている人たちの集団のなかに入る」ということが、まず大事なのです。
まずは、真理を求めている、よい仲間のなかに入って、悪い縁をだんだん切っていき、周りの人のよい感化を受けながら少しずつ修行をしていくのです。
そして、人々のお役に立てるように、人助けなどに努力していきます。マイナスのことが、ずいぶん積み重なったのであれば、プラスを乗せていくように努力していくのです。
反省をしながら、この世での菩薩行を重ね、努力して功徳を積んでいくことが大事なのです。
この世で人間として生きていく上では、さまざまな欲が出てきます。
川の氾濫のように欲望が氾濫することがないように、周りとの調和、秩序を守りながら、欲望をコントロールして、多くの人と正しく生きていけるようにしていくことが大事なのです。
人間の持っている欲望のうち、三大欲望は、食欲、性欲、睡眠欲です。
死んであの世に還ったならば、肉体がないので、食べ物を食べる必要はありません。
あの世でのエネルギー源は霊界の霊太陽そのものです。あの世の霊は、霊太陽から来るエネルギー、霊的なエネルギーで生きています。
性欲も、やはり、この世のものです。
性欲そのものもあの世では肉体がなくなるので、存続しないものだと思ってください。あの世で存続した場合には、色情霊となって、この世の人間に取り憑かないかぎり、それを満足させることはできないのです。
次に、睡眠欲について述べると、睡眠は、人間として一日に八時間ぐらいは欲しいところです。
ただ、あの世の霊人は寝ることがありません。あの世は、一日中、昼間なので、寝ることはないのです。
霊的な観点を主として、欲望をよく調整していくことが大事です。欲望をよく調教できていれば、来世に還って、この世的な属性を脱ぎ去ることが、比較的早くなるのです。
交通事故に遭って死んだあと、「痛い、痛い」と言って、何十年も転げ回って苦しんでいる人がたくさんいます。肉体はすでにないのに、肉体以外の自分を想像できないため、その苦しみから逃れることができないでいるのです。
この世に生きているときに、魂としての生活のことを知っていた人は、交通事故に遭ったとしても、光の天使がすぐに救いに来て、あっというまに天上界へ抜けていきます。
自殺の名所には成仏していない自殺者の霊がいて、そこを訪れた人が、そういう霊に支配されることがあるのです。
したがって、来世で幸福な生き方をしたければ、この世において、「魂としての生活がある」ことを自覚し、霊的な借金を返していき、霊的に貯金をつくっていかなくてはなりません。
その生き方について、私はさまざまなかたちで教えています。
まず信仰生活を送ることです。そして間違った思いで生きている人を、できるだけ早く仲間に入れてあげることです。それは非常に大きな功徳を生みます。「伝道する」ということは功徳を生むのです。
知らずに犯す罪の大きさ、その苦しみの大きさを知ってください。それを知って、生きているうちに、一冊でもよいので、私の著書を読んでいただきたいのです。あるいは、一回でもよいので、私の法話は聴いていただきたいのです。それはビデオやCD、カセットテープなのであってもかまいません。
そういう縁が少しでもあれば、来世で地獄に堕ちたときに、それは地獄から上がるためのロープになります。それをつかんでいただきたいと思います。